技術の概要
原位置迅速透水試験装置「Ωシステム」は、放射性廃棄物処分場覆土、最終処分場遮水ゾーンなどに代表される低透水性地盤を対象として、原位置にて迅速に遮水性能(透水係数)を確認できる装置です(1計測約5~10分)。この装置を用いて、現場にて地盤注水時の注入速度を測定し、あらかじめ室内試験で求めておいた注入速度と透水係数の相関関係から、現場の透水係数を把握できます。
技術の特徴
現場計測は、コンプレッサーにより定圧状態を作り、簡易タンクからロッド部を介して地盤内に水を注入し、流量計により水の注入速度を計測することで行います。Φ20cm程度の試験孔の掘削を必要とする通常の現場透水試験に対し、Φ2cmの試験孔により短時間で簡易的に地盤の透水係数を推定できます。事後確認的に現場透水試験を実施する、もしくは材料の粒度や現場密度から間接的に透水係数を推定していた従来の品質管理と比較して、遮水層構築の品質管理精度が向上します。

メリット
- 1.原位置において、直接、透水係数の確認が可能。(計測日に透水係数を確認)
- 2.短時間(5~10分程度)の計測のため、施工に大きな影響を及ぼさない。
- 3.短時間計測、コンパクトな軽量装置のため、多点的に計測が可能。
- 4.施工エリアの面的管理が可能。
特記事項
本装置は適用材料や管理項目により、適用できない可能性もあります。事前調査や事前試験にて、本装置の適用性を検討いたします。
- 実績
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横浜支店明野廃棄物最終処分場(仮称)本体建設工事(2006/12~2009/03)
財団法人山梨県環境整備事業団(ベントナイト混合土遮水層の品質管理で試験的に使用)
- 適用工種
- 透水性の品質管理が必要な工事(例:放射性廃棄物処分場覆土、一般廃棄物処分場遮水ゾーン、ダムコアゾーン、など)
- 関連資料
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- 第34回土木学会関東支部技術研究発表会講演概要集、III-044、2007
- 2008年度版「操作マニュアル」