ダム監査廊のPCa化工法

技術の概要

監査廊のPCa化工法は、コンクリートダムの監査廊に必要な鉄筋を全て組み込んだPCa部材を用いて、後打ちコンクリートと一体化する工法です。PCa部材の打継ぎ面には目荒しを施すとともに、PCa部材の底版下にはブリージングのない高流動コンクリートを打ち込むことで、密着性の向上を図っています。

技術の特徴

  • 1.プレキャスト部材の打継ぎ面を目荒らしするため、現場打ちコンクリートと一体化したダム監査廊が構築できます。
  • 2.現場での型枠・支保工及び鉄筋の組立作業が無く、監査廊構築の工期を大幅に短縮します。
  • 3.工場で製造するため製造環境が一定条件となり品質が安定します。
  • 4.施工が簡単であり、鉄筋・型枠工における熟練作業員の必要がありません。
  • 5.水平部はもちろん、斜路部や交差部を含めた全監査廊に適用できます。
  • 6.監査廊のほか、ゲート室の壁部、天井部のプレキャスト化にも適用できます。

メリット

  • 1.監査廊構築の工期が従来工法に対し、70%短縮できます。
  • 2.従来工法に対し、70%の省人化が図られます。
  • 3.作業環境が整頓され、また作業工程の一部省略により工事の安全性が向上します。
プレキャスト部材設置要領、プレキャスト部材設置状況

特記事項

監査廊のPCa化工法は、フィルダムにも適用できます。

実績
  1. 1)宇奈月ダム本体建設工事(H6.8~H10.7) 富山県 建設省北陸地方建設局
  2. 2)久婦須川ダム建設工事(H10.4~H13.4) 富山県
  3. 3)木戸ダム本体建設工事(H14.11~H18.6) 福島県

NETIS登録No.

HR-990036-A

HR-030022-A

適用工種
コンクリートダム
関連資料
  1. 「宇奈月ダムにおける通廊のプレキャスト化施工」 コンクリート工学1995.8
  2. 「通廊のプレキャスト化施工—宇奈月ダム—」 土木施工 1995.9
  3. 「ダム工事のプレキャスト施工事例集」 (財)本ダム協会 2010.2
備考
  1. 旧建設省北陸地方建設局との共同開発です。
  2. 宇奈月ダムの通廊工事は、技術活用パイロット事業です。