港湾用ケーソンの合理的施工法
「PFC工法」

技術の概要

PFC(プレキャストフォームケーソン)工法は、プレキャスト埋設型枠や突起付きH形鋼、中流動コンクリートを用いることにより防波堤ケーソンの施工を合理化し、大幅な工期短縮を可能とする工法です。

技術の特徴

  1. 1.外壁には厚さ50mmの耐久性に優れ、本体構造の一部として設計することが可能なSEEDフォームを使用しています。
  2. 2.中詰砂が投入される内型枠には、厚さ75mmのRCプレキャスト埋設型枠を用いているので、型枠の脱型作業が不要になります。
  3. 3.外壁内の鉛直方向鉄筋の代わりに、コンクリートとの優れた付着性能を有する突起付きH形鋼を使用して、鉄筋組み作業を簡略化しています。
  4. 4.埋設型枠間は充填性が良く、高流動コンクリートよりも経済的な分離低減型流動コンクリート(中流動コンクリート)で充填します。
プレキャストフォームケーソン概念図

メリット

  1. 1.工場で製作した高耐久性埋設型枠、RCプレキャスト型枠、突起付きH形鋼を用いることで、在来工法に比べてFD(フローティングドック)上での工程を大幅に短縮できます。
  2. 2.直立ケーソンでは、工期を在来工法の約半分に短縮できます。
  3. 3.在来工法では製作が困難な斜面スリットケーソンの製作も可能となります。
施工状況(直立ケーソン)
進水状況(斜面ソリットケーソン)
実績
  1. 1)苫小牧港東港区内B防波堤ケーソン製作工事(H11.6〜H11.8):直立ケーソン1函
  2. 2)福島漁港外東防波堤ケーソン製作工事(H11.8〜H12.1):斜面スリットケーソン2函
  3. 3)苫小牧港西港区東島防波堤ケーソン製作工事(H14.9〜H14.12):直立ケーソン1函
  4. 4)苫小牧港西港区東島防波堤ケーソン製作工事(H16.8〜):直立ケーソン2函
適用工種
港湾海岸構造物
関連資料
  • 「港湾用プレキャストケーソン製作工法の開発」
    コンクリート工学年次論文報告集 Vol.22 No.2 pp.1423-1428 2000
  • 「プレキャストフォームケーソン製作工法(PFC工法)の開発」
    土木建設技術シンポジウム2002論文集、土木学会建設技術研究委員会 pp.159-166 2002.5
  • 「新構造形式ケーソン技術マニュアル −プレキャストフォームケーソン編−」
    北海道開発局監修、(社)寒地港湾技術研究センター 2005.8
備考
本工法は、北海道開発局、JFEスチール(株)との共同開発です。