技術の概要
近年、都市機能の再生をキーワードとして渋滞解消を目的とした踏切の連続立体交差化事業に対する期待が高まっています。都市部における連続立体交差化工事は制約条件が多く、安全性の向上や工期短縮が可能な合理化施工技術の開発が求められています。本工法は、主要部材のプレハブ技術を積極的に導入することにより、省スペースにおける合理化施工と周辺環境への負荷の低減を高次元で実現した工法です。
- 1.地中梁・脚柱部・上層梁部に、高耐久性プレキャスト埋設型枠を適用（PREX型枠）
- 2.プレストレスを導入したハーフプレキャストスラブによる無支保施工（PREX床版）
- 3.ユニット化による鉄筋組立のプレハブ化
技術の特徴
- 1.施工の省力化･急速化･安全性の向上
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- プレキャスト型枠は薄型軽量で、取り扱いが比較的容易です。
- 型枠設置に特殊技能を必要としません。
- プレキャスト型枠は、高い曲げ剛性を有しており、型枠支保工の簡素化が可能です。
- プレストレスを導入したハーフプレキャストスラブを用いることにより、スラブの鉄筋配置、コンクリート打設等の作業が無支保で施工可能です。
- 型枠の脱型が不要であり養生期間の短縮が可能です。
- 2.品質の向上
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- プレキャスト型枠は、工場にて高い品質管理の下で製作され、精度・美観に優れます。
- プレキャスト型枠は本体構造物の一部として利用でき、プレキャスト型枠内の鋼繊維は構造物の構造性能向上に寄与します。
- 3.高耐久性・構造的信頼性
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- プレキャスト型枠に低水セメント比のモルタルを使用することにより、塩分、二酸化炭素、水などの腐食因子の侵入に対する抵抗性が高く、構造物の耐久性を向上させます。
- プレキャスト型枠内に混入した鋼繊維が表面ひび割れ幅を抑制します。
メリット
試算によれば、在来工法と同等の工費で工期を約30%短縮することが可能です。
（検討条件：在来線の高架化事業、四径間、片側線ずつの分割施工、昼間工事）
- 実績
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- 1）新琴似高架橋（札沼線複線化新川工区） 脚柱部 H11.10～H11.11 JR北海道
- 2）愛知環状線鉄道高蔵寺Box 床版部 JR東海
- 3）大阪外環状線久宝寺地区高架橋新設他工事 床版・高欄部 JR西日本
- 適用工種
- 鉄道ラーメン高架橋
- 関連資料
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（財）鉄道総合技術研究所 設計施工指針
- プレキャスト型枠工法を適用した鉄道ラーメン高架橋の設計施工指針 H11.3
- トラス鉄筋付きプレキャスト版を用いた鉄道ラーメン高架橋スラブの設計施工指針 H15.1
- 備考
- 本工法は、（財）鉄道総合技術研究所と共同で開発したものであり、その成果は設計・施工指針として取りまとめられています。