技術の概要
港湾・河川など水中部の橋脚の耐震補強では、橋脚周囲に仮締切を設けてドライアップを行った後、気中で補強工事を行うのが一般的であり、大規模な仮設工事が必要となる場合が少なくありません。
本工法は、大規模な仮締切を省略できるとともに、ドライアップを必要としないRC橋脚の耐震補強工法で、補強用鋼材を内包した高耐久性プレキャストパネルを気中でリング状に組み立てて水中に沈設し、既設橋脚との間に水中不分離性コンクリート(またはモルタル)を充填して、既設橋脚と一体化させる耐震補強工法です。
技術の特徴
水中橋脚の耐震補強において橋脚周囲のドライアップが不要であり、RC巻立て工法と同等以上の耐震補強性能を確保し、大幅な工期短縮と工費の縮減を実現します。

メリット
- 1.補強用鋼材を内包したプレキャストパネルを継手鋼材で連結することにより、所要のせん断補強効果とじん性補強効果が得られます。
- 2.水中でフーチングに定着した曲げ補強鉄筋により、所要の曲げ補強効果が得られます。
- 3.拡底式アンカーを横拘束鋼材として利用することにより、中間貫通帯鉄筋と同等のじん性補強効果が得られます。
- 4.高耐久性プレキャストパネルを用いることにより、優れた耐久性が得られます。
- 5.ドライアップを行わない施工が可能であり、工期の短縮、工費の縮減が可能です。
- 実績
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- 1)那覇港(泊地区)橋梁(改良)下部工改良工事(第3次)H11.3〜H12.3
- 2)伊万里港(久原南地区)橋梁耐震補強工事 H15.9〜H16.3
他10件
- 外部評価
- (財)道路保全技術センター技術審査証明(H14.4)
- 適用工種
- RC橋脚
- 関連資料
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- 「既存鉄道コンクリート高架橋柱等の耐震補強設計・施工指針」
−RCプレキャスト型枠編− H8.12 (財)鉄道総合技術研究所 - 「水中橋脚の耐震補強工法『PRISM工法』」 土木技術 H14.12
- 「既存鉄道コンクリート高架橋柱等の耐震補強設計・施工指針」
- 備考
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- 国土交通省 技術活用システムにおけるテーマ選定技術(H15年度)に採用されています。