浸水リスクマネジメント

浸水リスクマネジメントの重要性

大河川の治水事業が整備され、近年の水害は堤防の決壊などの被害(外水氾濫)が減少しています。しかし、都市部において中小河川、下水道の雨水排出能力を超えた集中豪雨による洪水(内水氾濫)が頻発し、大きな資産被害が生じています。浸水リスクマネジメントにより、建物機能を維持し資産を浸水から守ります。

1999.博多駅前
1999.博多駅前
内水氾濫

台風、集中豪雨などにより河川などの排水能力を超えた雨水の氾濫

外水氾濫

河川の堤防の決壊、高潮、津波などによる氾濫

最近の水害被害の傾向

近年、大都市部の集中豪雨の多発による内水氾濫による被害が増加

1999.博多
1時間降水量75mm以上の年間延べ件数
※全国のアメダス地点(約1300箇所)より
1999.博多
1999.博多

記録的な集中豪雨が発生し大都市部に大きな被害が発生

  • 1996年 福岡市(梅雨前線豪雨) 床上浸水 3,701棟
  • 1996年 山口、熊本、西日本(台風18号) 床上浸水 4,947棟
  • 1996年 愛知県西部(連続雨量507mm) 床上浸水26,655棟

浸水リスクマネジメントの手順

リスク分析

浸水深度の予測
浸水被害分析

リスク評価

リスク対応方針の決定

保有:浸水対策情報の提供
削減:浸水対策(建築計画、構造、設備)の提案
回避:計画地の変更、施設の移転等
移転:保険加入

リスク対策

リスク対策の提案

洪水ハザードマップ
洪水ハザードマップ
発生頻度と予想浸水深度(cm)
発生頻度と予想浸水深度(cm)

浸水被害予測と対策例

計画・設計段階から既設建物に至るまで浸水リスクの程度に応じた浸水対策のご提案を行います。

ハード面での浸水対策例 浸水被害予測例
床上浸水を未然に防ぐ 敷地への浸水を防ぐ

敷地の嵩上げ
敷地の周囲を塀で防御
土嚢などによる応急対策

床上への浸水を防ぐ

床レベルを高くする
外壁で防御する

平面計画の工夫

止水性のある外壁
開口部対策
配管などの開口部対策

材料や構法の工夫

耐水性材料の選択
防汚性材料の選択

設備機器を守る

電気・空調等設備の高所設置

地下室への浸水に備える 外部からの出入口対策

出入り口前に止水板の設置

内部からの出入口対策

内部階段、避難はしごの設置
エレベータに頼らない避難経路

設備機器を守る

自家発電装置など重要な電気設備は地上階に設置