シールド分岐・合流工法
「セグメント切削シールド工法」

技術の概要

セグメント切削シールド工法は、道路トンネル、鉄道トンネルなどの分岐・合流部を非開削で施工する工法です。
先行するシールドトンネルには切削容易なセグメントを配置しておき、後行シールド機で直接切削することで、分岐・合流部を極力小さい断面を非開削で構築します。

技術の特徴

◇施工手順

  • 切削容易なセグメント(切削セグメント)を配置した先行シールドトンネルを、後行シールド機で直接切削します。切削時の安定性のため、先行トンネル内部には仮設壁を設置し流動化処理土等で充填させます。
  • 後行シールド機で直接切削後は、接合部周辺にトンネル坑内から地盤改良を行って止水性を確保し、高剛性の部材で接合し分岐合流部の構造を構築します。

◇切削セグメント

  • 切削セグメントは切削性を良くするため、切削実績の多いNOMST部材を改良・発展させた軽量骨材コンクリートと炭素繊維格子筋で構成されています。
  • 切削セグメントの切削性の良さについては、基礎切削試験により検証しています。
  • 切削セグメントの構造については、Φ12m級の大口径単体曲げ試験などにより終局耐力までの力学特性とRC理論で設計が成立することを検証しています。

◇後行シールド機と切削時の挙動

  • カッタービット、装備推力、装備トルクなどの後行シールド機の仕様については、
    基礎切削試験などの切削負荷データから、適切な仕様を計画できます。
  • 後行シールド機の掘進速度や姿勢制御などの掘進管理項目と切削セグメントの挙動、切削後の切削屑については、先行トンネル切削実証実験により特に問題ないこと実証しています。
工法概要、人口軽量骨材、炭素繊維格子筋、基礎切削試験、単体曲げ試験、先行トンネル切削実証実験

メリット

  • 分岐合流に必要な最小限の空間での施工であり、コスト、工期を縮減できます。
  • 非開削工法であるため、地上占有が不要であり、大深度にも適用できます。
  • 地山を露出せずに施工できるため、最小限の補助工法を併用するだけで済みます。
  • シールド工法であるため、施工時における周辺環境への影響を抑制できます。
適用工種
シールドトンネル
関連資料
土木学会トンネル工学研究論文集第17巻査読付き論文「セグメントの分岐合流工法の開発における実験的研究」;2007.11等
日経コンストラクション2006.4.28号、2006.9.22号等