技術の概要
シールド工事において先行ビットの摩耗を補い、後方ティースビットとの段差を維持することで切削性能を安定させる装置です。摩耗分を自動で伸長することで、段差を常に一定に保ち、ビットの寿命を延ばします。

技術の特徴
- 摩耗した分だけ先行ビットを伸長可能(グリス注入による調整)
- 小型で強力な逆止機構(サンクイック)を採用
- 高水圧(1.5MPa)下でも隙間から水漏れしない止水性を実現
- 最大500kNの耐荷重性能
- 逆戻りしない信頼性の高い機構設計

メリット
- 1.地山掘削時のビット摩耗に伴う切削性能の低下を防止
- 2.ビットの伸長により後行ビットの保護が可能
- 3.長距離、大深度シールド工事でのビット寿命を延ばし、メンテナンスコストを削減
- 4.硬い地山や礫混じりの地層にも適応可能
- 5.ビット摩耗量に応じた自動調整機能により安定した掘削を実現
特記事項
- 適用工種
- 大深度、長距離のシールド工事、特に礫混じり地層の掘削に適用可能
- 関連資料
- 「ビット段差維持装置の要素実験」令和3年度土木学会全国大会 第76回年次学術講演会、Ⅵ-381、2021
- 備考
- 実験機を製作し、ビットの伸長、止水性、耐荷重、逆水防止、地盤貫入の各性能を確認済み。水圧1.5MPaでも隙間からの水漏れがなく、装置の変形や損傷も認められないことを実証しました。