吸水型振動棒締固め工法
「SIMAR(シマール)工法」

技術の概要

SIMAR工法は、液状化対策工法として従来から行われている振動棒締固め工法(ロッドコンパクション)に吸水機構を付加した工法です。吸水することでロッド加振時に発生する過剰間隙水圧の消散が図れ、ロッドの振動エネルギーを確実に地盤に伝達させることが可能となり、締固め改良効果が飛躍的に向上します。本工法の採用により施工ピッチが拡大できるので、工期短縮とコストダウンが実現されます。

技術の特徴

  • 1.改良効果の阻害要因となる振動締固め時にロッド周辺で発生する過剰間隙水圧を吸水により消散させ、高品質な締固めを実現します。
  • 2.締固め有効範囲の拡大により施工ピッチが拡大され、工費削減と工期短縮を可能とします。
  • 3.施工時の押出し地中変位が少なく、近傍の既設構造物への影響をほとんど与えません。
  • 4.吸水機能付きロッドを用いる以外は、従来の振動棒締固め汎用機械類がそのまま使用できます。
  • 5.SCP(サンドコンパクションパイル)工法のように砂杭を地中に造成する工法ではないため、良質の購入砂は不要です。
  • 6.ジェットキャリー式吸水システムの採用により、吸水部の目詰まり解消と高揚程の吸水を実現しました。
SIMAR工法の工法原理図
吸水部とジェットキャリーの原理、同一地盤での工法別施工ピッチの比較例

メリット

  • 1.締固めによるN値増分量は従来工法の2〜3倍に増大します。
  • 2.同一目標強度に対する施工ピッチは従来工法の1.5~2倍に拡大可能です。
  • 3.細粒分含有率10%未満の場合、最大でSCP工法比30%程度のコストダウンが可能です。

特記事項

細粒分含有率は15%以下が最適ですが、30%を超える地盤には不適です。

実績
  1. 1)尼崎西宮芦屋港-12m 岸壁地盤改良工事(H10.1~H10.3) 運輸省第三港湾局
  2. 2)敦賀発電所3・4号機敷地造成のうち改良工事(H20.3~H20.6) 日本原子力発電
外部評価

(財)国土開発技術研究センター技術審査証明(H9.1)

運輸省技術評価(H11.9)

NETIS登録No.
TH-990039-A
適用工種
土地造成、地盤改良、液状化対策
関連資料
  1. 「より良き液状化対策を探る」土木学会誌 Vol.83 pp.17-19 H10.4
  2. 吸水型振動締固め工法 技術資料