油圧ジャッキによる
既設鋼管杭引き抜き工法
「SIPLER(シップラー)工法」

技術の概要

民地の下をシールドが通過する際やビル等の建て替えの際に、既存建築物の基礎杭が支障となる場合があります。特に杭が長い場合には、撤去に大規模な工事が必要となります。

SIPLER(Silent Pile Remover)工法は、PC鋼より線と油圧ジャッキを用いて地上から既設鋼管杭を引き抜き・撤去するもので、大規模な工事を必要としないため経済的であり、かつ長尺杭の撤去も可能です。また、引き抜きの際には杭先端より充填材を注入するので周辺地盤の沈下も防止できます。

技術の特徴

  1. 1.鋼管内部に定着させたPC鋼より線を油圧ジャッキで緊張して引き抜く方法のため、作業用地が狭くクレーンを設置する場所が確保できない場合でも杭を引き抜き撤去できます。
  2. 2.PC鋼より線の本数を増加させることにより引抜力を大きくでき、長尺杭の引抜も可能です。
  3. 3.市街地で騒音振動が問題となるバイブロハンマ等の機器を使用しません。
  4. 4.鋼管杭引抜と同時にセメントミルクを充填することにより周辺地盤への影響を最小限に抑えることができます。
  5. 5.鋼管杭の上部に管を連結し、周辺地盤を埋め戻して補強層を設け、引抜時の接地圧を地盤に分散させることにより、地盤が軟弱な場合でも杭を引き抜き撤去できます。
油圧ジャッキ設置状況

メリット

  1. 1.住宅密集地などの作業用地が狭い場合でも、周辺環境に影響を与えずに杭を撤去できます。
  2. 2.大型クレーンを使用しないので、鉄道の営業線に近接する場合などでも施工時間の制約等を受けずに連続施工が可能であり、工期の短縮が図れます。
  3. 3.杭長が30mを越える場合でも引抜が可能です。
施工手順
銅管杭引き抜き状況
実績
  1. 1)(MM、高島シールドT)に伴う前原ビル基礎杭撤去工事(H12)鋼管杭、管径Φ350mm、杭長38m:14本
  2. 2)常磐線三河島~南千住間第2南千住Bv他改修工事(H14)鋼管杭、管径Φ400mm
    杭長30m:23本、杭長32m:1本
適用工種
基礎杭の撤去
備考
特許第4102543号(H20.3)(鉄道建設・運輸施設整備支援機構との共同特許)