高含水土の真空加圧脱水装置
「スーパー・バキューム・プレス(SVP)」

技術の概要

スーパー・バキューム・プレスは、処分が難しいとされる建設汚泥などの高含水泥状土(泥水)を脱水・減量化し、リサイクル可能な強度にまで改良できる脱水装置です。
泥水を装置内に送り込むポンプ圧力とろ過背面に均等に作用する真空圧を併用した独自の脱水機構が、従来のフィルタープレス型脱水機に比べて高効率な脱水を実現します。

技術の特徴

  1. 1.真空と加圧を併用した独自の脱水機構により、脱水処理時間の短縮を実現します。
  2. 2.凝集材にはセメント系固化材を原則使用することにより、脱水の効率化を促進するとともにケーキ強度が増進します。
  3. 3.セメント添加率の調整により、リサイクル用途に応じたケーキ強度の設定が可能です。⇒第2種改良土としての利用が可能です。
  4. 4.開板、脱水ケーキ搬出、濾布洗浄などの作業を自動化することで省人化を実現します。
  5. 5.濾布に付着するスケールは独自の自動薬液洗浄システムにより除去します。
  6. 6.高圧噴射攪拌工法などで発生するセメントが混入した自硬性汚泥の処理が可能です。

メリット

  1. 1.建設汚泥・浚渫土を減量化して盛土構造物等に活用することにより、産廃処分費の低減と新規土砂購入費用の節約を図るとともに環境負荷の低減に寄与します。
  2. 2.特に細粒分を多く含んだ脱水の難しい高含水土にも効率的な処理を実現します。
  3. 3.これまで産廃処分する以外に方法がなかったセメント混入自硬性汚泥の減量化とリサイクル化を実現します。

特記事項

一定規模の工事(取扱い処理量)でないと工事費のうちに機械費・運搬費・設置・解体費等の固定費用の占める割合が高くなり、導入のメリットが出にくくなります。経済的メリットが期待できる処理量の目安としては、100m3/日、トータル10,000m3以上です。

スーパー・バキューム・プレスの概観、様々な用途に利用可能な改良土
実績
  1. 1)おがせ池浚渫浄化工事(H11.3〜H12.6) 岐阜県
  2. 2)志賀原子力発電所第2号機放水路工事(H12.9〜H13.5) 北陸電力(株)
  3. 3)福島第二原電浚渫土砂粒度調整・脱水固化並びに収容業務 東京電力(株)
  4. 4)七尾基地低温タンク基礎・防液堤他工事 日本液化石油ガス備蓄(株)

外部評価
  • (社)日本機械化協会技術審査証明(H7.10)
  • グリーン購入法に係る特定調達品目候補群(H15)
NETIS登録No.
CB-980068-A
適用工種
浚渫土、自硬性汚泥(CJG・SMW杭など)、シールド余剰泥水、その他汚泥(リバース杭など)
関連資料
真空加圧脱水機「スーパー・バキューム・プレスを利用した建設汚泥リサイクルシステム」 建設の機械化 H12.12
備考
  • 平成13年度 社団法人 日本機械化協会 会長賞受賞
  • 第30回環境賞(日立環境財団他) 優良賞受賞 H15.6