技術の概要
TPナット工法は、テーパーネジ加工を施した鉄筋にナット状の定着金物を取り付けた機械式定着工法です。従来の標準フックに代わり、鉄筋コンクリート構造物の主鉄筋、せん断補強鉄筋、中間帯鉄筋として適用することができます。これにより、過密配筋の解消、鉄筋組み立ての作業性向上、コンクリートの充填性改善等を達成することができます。
技術の特徴
- ネジ部は、鉄筋母材と同等以上の強度を有しています(引張試験で母材破断します)。
- TPナット鉄筋のせん断補強性能や拘束性能は標準フック鉄筋と同等です。
- 設計変更は、標準フック鉄筋をTPナット鉄筋に置き換えるだけで対応可能です。
- 鉄筋の節形状(竹節・ネジ節)を問わず、あらゆる鉄筋に適用可能です。
- TPナット鉄筋は片側のみ取付け、両端取付けのいずれも可能であり、配筋状況や施工性に応じて自由に選択できます。


メリット
- 標準フック鉄筋に比べて鉄筋組み立て作業が簡略化され、合理的な施工ができます。
- 過密配筋が解消されるため、コンクリートの充填性が改善されます。
- 従来の標準フックと同等の定着性能を有しながら配筋の施工性が向上するため、工期短縮、コスト低減が可能です。
- 実績
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- 1)送電鉄塔基礎のせん断補強鉄筋(H18.5~)
- 2)工場基礎のせん断補強鉄筋(H23.7)
- 3)下水管渠のせん断補強鉄筋(H23.9~)
- 4)下水管渠シールドセグメントの継手(H23.10~)
- 外部評価
- (財)土木研究センター技術審査証明(H23.2)
- 適用工種
- 鉄筋コンクリート構造物全般における主鉄筋、せん断補強鉄筋、中間帯鉄筋
- 関連資料
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- 「鉄筋端部にネジ加工を施して取付けた機械式定着の性能評価」
構造工学論文集 Vol.56A(2010年3月)土木学会 - 「TPナット鉄筋の性能評価」土木建設技術発表会(2011年11月)土木学会
- 「鉄筋端部にネジ加工を施して取付けた機械式定着の性能評価」