伐採木の緑化基盤材への
有効利用技術
「ウッドベース工法」

技術の概要

本工法は伐採木をチップ状に破砕した後、堆肥化を行い、法面等への緑化基盤材として有効利用を図る工法です。堆肥化後、概ね30mm以下のチップは法面吹付などに利用できるほか、30mm以上のチップは土壌改良材やマルチング材などに有効利用が可能です。従来の厚層基材吹付と比較して、産業廃棄物となる伐採材の処分が不要となる上にバーク堆肥などの購入材を節約できるため、施工費用も同等以下にすることができます。

技術の特徴

  1. 1.木チップを堆肥化させて有効利用するため、窒素飢餓や悪臭、根切り虫の発生など植生上の悪影響を最小限に抑えることができます。
  2. 2.堆肥化チップは最終的に自然に還ります。
  3. 3.堆肥化工程を従来よりも短くしたことで、比較的用地が狭く、工期が短い現場へも適用が可能です。
  4. 4.法面吹付の場合、汎用の厚層基材吹付機での施工が可能なため、法勾配等の施工的な制約を受けません。
  5. 5.伐根材の有効利用も可能です。
二次破壊システムと堆肥化状況、法面吹付状況

メリット

  1. 1.木チップの堆肥化の状態を表すC/N比(チッ素(N)含量に対する炭素(C)含量比)は36〜40で、バーク堆肥(C/N=35以下)とほぼ同等です。(好気性菌利用)
  2. 2.法面吹付の場合、従来の厚層基材吹付法に比べて、バーク堆肥の購入費および伐採材の処分費を節約できるため、トータル施工費を10%程度低減可能です。
  3. 3.産廃処分を行わず、伐採木チップを土壌に還すため、環境負荷は低くなります。
施工の流れ、堆肥化の方法
実績
  1. 1)箕面北部丘陵地区3工区造成工事(H11.9〜H12.10) 大阪府企業局(試験吹付900m2
  2. 2)四国横断自動車道長谷工事(H12.10〜H15.4) 日本道路公団四国支社(吹付96,000m2
  3. 3)三室川ダム本体建設工事(H12.10〜) 岡山県(吹付23,000m2
  4. 4)神流川発電所新築工事(H14.11) 東京電力(吹付3,400m2
  5. 5)胆沢ダム基礎掘削工事(H15.10) 東北地方整備局(吹付12,000m2
外部評価
グリーン購入法に係る特定調達品目(H15)
適用工種
植生工、緑化工