M.M.TOWERS新築工事(1・2期)
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免震構造を採用した超高層住宅 M.M.TOWERS the East・the South
MM21-39街区 マンション工事 | 建築計画  
暮らしを謳歌する未来住宅

横浜市は、「ゆめはま2010プラン」に基づき、災害に強い、安全で快適な市民生活の実現を目指して、地域特性を生かした総合的な街づくりを計画。1965年(昭和40年)にスタートした「みなとみらい21構想」は、横浜の新しい都市づくりの中核として着々と開発計画が進んでいる。
 三菱地所株式会社は、海と臨港パークに程近い39街区に、超高層マンション「M.M.TOWERS」を計画。前田建設との共同事業で建設している。

 三菱地所が「M.M.TOWERS」の企画に本格着手したのは
1998年のこと。プランニングは4つのキーワードの創出から始まった。まず、居住空間のデザインや機能がいかにあるべきかという快適性。次に、快適性を保証する安全性。スケルトンインフィルの実現など構造・機能的な耐久性。そして、エコロジーや敷地の緑化などの社会性である。三菱地所株式会社横浜支店次長横堀洋志氏は、みなとみらい21のマスタープランには、当初から住宅の建設が盛り込まれておりました。最初の住宅供給となる「M.M.TOWERS」には、大勢の方の期待があったと思います。綿密な商品企画と施工面を含む高い技術力により、その期待に応えられたことが、好調な販売結果に結びついたと思っています。前田建設というよきパートナーに恵まれ、知識と技術を共有することができました。これを第2弾、第3弾へとつなげたいと考えています」と語った。

 設計を担当している株式会社三菱地所設計住宅設計部長大内政男氏は、こう続けた。「この二度とないロケーションを生かし、将来の家族構成の変化に対応できる、使いやすく魅力的で快適な住宅をつくりたい、と考えました。そして、構造、機能、社会性とも100年以上の耐久性を持つ住宅にするために、免震構造とコアウォール工法を採用し、居室の柱や梁をなくして、家族構成に合わせた自由な間取りを可能にしました。居室は、外国人デザイナーの提案を含め、5つのデザインテイストから選択できるように企画して、多様な価値観に対応しました。これらが、商品としての成功につながったのだと思います。建設に関しては、特に品質管理をお願いしました。とても満足しています。入居したお客様に喜んでいただけることを願っています」

 2004年春、横浜駅、みなとみらい中央駅(仮称)
(「M.M.TOWERS」徒歩3分)、元町を結ぶ地下鉄(東急東横線相互乗り入れ)が開通し、横浜の都心部と東京・渋谷へのアクセスが充実する。ここで暮らし始める人々が、新しい街をつくり、「みなとみらい」は、その名のとおり未来に向かって発展する。

三菱地所株式会社 横浜支店 次長 横堀 洋志氏

三菱地所株式会社
横浜支店 次長
横堀 洋志氏

株式会社三菱地所設計 住宅設計部 大内 政男氏

株式会社三菱地所設計
住宅設計部
大内 政男氏

仕上げ段階に入った3階の居室

仕上げ段階に入った3階の居室

南向きの住戸の眼前には、横浜港が広がる。最高の景観だ。

南向きの住戸の眼前には、
横浜港が広がる。
最高の景観だ。

現場がW杯のプレスセンターの近くということもあり開催期間中、参加各国の旗をひらめかせた。

現場がW杯のプレスセンターの近くということもあり開催期間中、参加各国の旗をひらめかせた。

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MM21-39街区 マンション工事 | サイトPca
大空をめざして加速する。
コンクリート打設

前田建設は「M.M.TOWERS」3棟のうち、1期「the East」(以下1期)、2期「theSouth」(以下1期)、の2棟を建設している。1棟に287世帯、2棟で計574世帯が入居する大規模集合住宅である。
 サッカー競技場の3倍の面積を誇る地下は駐車場と機械室となり、地上部分は1期と2期の間を共用部分でつなぎ、プライベートガーデンをつくる。2階から30階が分譲住宅。最上階は、水まわりまで自由に設計して、生活スタイルを創造できる。

▲コンクリート打設
ミキサー車1台分がそのまま入る5m3ホッパーの使用により、1フロアー約275m2の打設が55回。従来の3m3ホッパーに比べ、打設時間を4時間以上も短縮でき、コンクリートの品質向上にもつながった。

サイトPcaでのコンクリート打設

▲サイトPcaでのコンクリート打設

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 2000年9月、「M.M.TOWERS」着工。2棟をほぼ平行して建設することに決定した。1期の躯体工事終了後、すぐに2期の工事をスタート。竣工は、1期が2003年1月、1期は同年10月の予定である。
 建物の構造は、各階同じ平面だ。建物の中心、コア部分は鉄骨造。床はデッキの床版。柱にコアウォール(壁ラーメン架構)を採用し、コア部分にエレベーター3基、避難階段2基を設置する。
 コア部分を取り囲むように住戸の玄関をつけ、残りの部分を壁にする。一番大きい壁柱は、3.0m×0・85m、15・3tである。
 外側は柱と梁だけでつなげ、住戸内の小梁をなくした。ほかにつながっているのは、段差床版のみ。各住戸内の床版は、内側の梁と外側の梁に板状のものをかけているが、4カ所だけは、どうしても小梁が必要だ。段差をつけた床版の、下がっている部分が水まわり、上がっている部分が居室となる。
 したがって各住戸とも、玄関を入ると、まずキッチン、バスルーム、トイレといった水まわりがあり、その奥が居室となる。小梁をなくしたことで、間取りプランが自由にできるスケルトン&インフィルを実現した。

 ここでは、床版の段差までをPCa化し、段差の上下にコンクリートを同時に打設できるよう工夫した。
 1期と2期の間に、サイトPCaを設置。ここで次々につくられたPCaは、クレーンで吊り上げ、設置する。サイトPCa化により、型枠作業をなくし、輸送時間とコストを省いた。
 この建物には積層工法を採用。PCaを最大限に活用したことにより、1フロアを5日サイクルでの施工を可能にした。
 サイトPCaは、究極の工期短縮、品質向上への原動力となっている。

高層躯体工事の工程 1フロア5日サイクルで施行30階まで、この工程を繰り返す

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