|
|
建物の、地下1階と地上1階との間に配管スペースを確保し、地震が起きても、ライフラインである給排水や電力、冷暖房が使用できるよう万全の体制を整えた。地震による振幅を90
cmと想定している建物に対し、100cmの振幅に対応できる免震配管設備を完備した。
設備工事には、工場生産による縦管ユニット工法や樹脂管プレハブ工法を採用。配管工事を大幅にスピードアップした。
設備課長の井上は、「設備の免震装置や、日本初の住宅設備機器の導入は、メーカーや学者に相談して決めました。「日本初」に挑むのは楽しいですよ。この現場が、これからの日本のマンションのスタンダードになるのですから」と語った。
井上はこの現場で、配管工事に効果のある「サヤ貫スリーブ」を開発し、特許を出願。これにより、配管工程での壁貫通の防火処理が1工程で完了できるようになり、工期短縮、原価低減に貢献した。
建物の仕上げは外壁へのサッシの取り付けから始まり、戸境に乾式間仕切り壁を設置し、建材の選定はシックハウス対策として、天然木や天然石を採用している。
建築課長の林は、「インテリアは、35タイプ、102プラン、5つのカラーテイストから、お客様にお選びいただきました。
ですから、最終的な住戸の図面は150タイプもあります。従来の仕上げとは工程も収まりも違うので、難しいですよ。これから、共用・管理棟の内外壁に天然大理石を割肌形状で張ります。これには高度な技術が必要です。個性的な外観になるので楽しみです」と、次の課題への意欲を見せた。
この現場では、協力会社50社500人が、安全、品質向上、工程管理をテーマとして、建設に当たっている。
建築課長の櫻田は、「これほどの規模のチームで仕事をするのは初めてです。机上の理想論だけでは解決できないことを、積極的に提案し合って、前向きに取り組んでいます。歴史に残るこのプロジェクトに参加できて、よかったです」と熱く語った。
建築課長の岡田は、「私は、モデルルームの建設からかかわってきました。2期のタワークレーンを解体する瞬間は、感無量だと思います」と、竣工の日に思いを馳せた。
「M.M.TOWERS」の竣工は、未来へのスタート地点だ。多くの人々がここで暮らし始めることにより、「みなとみらい21構想」はまた1歩大きく前進する。
これだけのプロジェクトを円滑に動かすためには、まず職員のベクトルを同方向に定めて、協力会社を管理しなければなりません。
そのために、毎日現場を見回って、基本的な安全管理を徹底しています。なによりも、現場をきれいに保つことが大切です。清掃することで、一人ひとりの意識が高まり、品質の向上にも、工程管理にもつながるからです。
課長や主任に任せることで、それぞれが責任を持って、協力会社と連携して、スムーズに工事を進めています。 |