吉原ジャンクション#2

Pier place P6
Construction REPORT 04
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MAP
降り注ぐ太陽の下で
Pier place AP7

急峻な斜面での地山の掘削工法として日本道路公団が開発した竹割り型構造物掘削が採用されたAP1のピア

AP1の作業をする
久保克典

指示する土木主任の
高橋健児

 高橋はP6橋脚を担当している。9月26日は、深礎くいの工事である。掘削してコンクリートを吹き付けた壁面を穿孔し、ロックボルトを埋め込む。水を使い、強制換気をして、粉塵を防止しながらの作業である。
 9月27日、雨。工事は続く。久保が担当しているAP7は、橋脚の中を空洞にした鉄筋コンクリート構造だ。網目のように組んだ鉄筋の内側と外側を型枠で挟む。その空間70cmへのコンクリート打設は難しい。「中空構造の橋脚は、鉄筋工のパーティーと、型枠・足場・コンクリートのパーティーが、効率よく作業できるように段取りして施工しています。橋脚の基礎はトンネルのNATM(山岳工法)と同じです。トンネルは横に、橋脚の深礎くいは縦に掘る。この違いだけですから、トンネル工事の経験を生かせます」
 久保はBランプの土工事も担当している。土工事は、道路を造る前の基礎工事だ。道路が通る山を削り、道路の基礎を造る。
キャリア13年の高橋は、後輩の統括を務めている。「鋼管コンクリート複合構造は、この現場が初めてなので、施工計画を作ってアドバイスしながら進めています」と語った。

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新しい緑をはぐくむ

 吉原ジャンクション下部工を担当している日本道路公団清水西工事長の藤田氏は、こう語った。「第二東名は、現在の東名高速道路の渋滞対策と東海大地震の代替路線として計画しています。吉原ジャンクションの西側に位置する前田・ベクテルJVの工区は、豊かな里山です。そこで、『さと山ふる里しぜん道』構想に基づいて、竹割り型構造物掘削を採用して、自然を守っています。急峻な地形のため、高い位置から低い位置の基礎にコンクリートを打設することが課題の一つでした。これには、前田建設が独自に開発したM-Yミキサを使って見事に施工していただきました」

鋼管コンクリート複合構造橋脚と竹割り型構造物掘削いずれも自然を守るために、日本道路公団が開発した工法である。

 
 

日本道路公団清水西
工事長の藤田俊樹氏

花の咲くゾーン 斜面に ヤマザクラ、カンヒガンザクラ、ヤエザクラ、 シダレザクラを植樹した。 春になると次々に開花する。

植樹実験用地内の斜面を7m×7mのマスに分け、土壌菌の効果も調べている。

 

基礎のコンクリート打設に使用したM-Yミキサ。コンクリートをミキサー車からポンプ車に積み替え、大きな落差で打設するため、粗骨材が分離しやすい。M-Yミキサは、コンクリートを再混練し粗骨材を均一に分布させ、高品質コンクリートを省人化して打設する、シンプルな装置である。

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