敷地面積は現校舎の6倍に相当する97,405.61m2。東北学院のシンボルである礼拝堂を中心に、東側に教室・管理棟、北側に3階建ての体育館、部室棟などを配置した。
新校舎の設計には、3つの特徴を持つ計画が策定された。
一つ目は、礼拝堂を中心として、生徒、教職員の諸室が機能的に配置された計画。二つ目は、多様な活動を通してコミュニケーションを触発できる場を建物の至るところに展開した計画。三つ目は、将来の授業内容の変化や多様化に対応できるようフレキシビリティの高い計画。すべてのコンセプトを建物に活かしている。
東北学院中学・高等学校を創立したとき、シュネイダー先生が掲げた「LIFE LIGHT LOVE」の言葉を新校舎にも掲げ、外壁のタイルの色には現校舎に使われている明治時代の赤レンガの色を採り入れて、学院の歴史を継承した。
東北学院を象徴する宗教教育、宗教行事の実践の場である礼拝堂は、2100名を収容する大ホール。礼拝堂の鐘楼までの高さは約30m。背後に円形のステンドグラス、正面には長方形のステンドグラスを配して荘厳な雰囲気を醸し出し、型枠に杉材を使った6本の丸柱が大空間を支えている。
体育館の1階には、柔道・剣道・空手・レスリング・卓球場、2階アリーナにはバスケット場4面を擁し、風が吹くと自動で窓が開き空気を入れ替える換気システムを採用した。
部室棟、膜屋根の雨天練習場、部室兼弓道場、グラウンド部室も建設。
図書室の窓には、ペアガラスの間に和紙を挟んだものを採用し、日差しを柔らかにするよう配慮された。教室はモデルルームを造って、安全性をチェックし、黒板や机を実際に設置して選定するなど、細やかな配慮をしている。 |