リバー平野ガーデンズ新築工事#1

本当に喜ばれる住まいを目指し、建物だけではなく地域環境をつくる。環境マンションという思想

 リバー平野ガーデンズの事業主である、リバー産業株式会社企画開発部開発課課長田村征士氏は「弊社は『今日よりも明日本当に喜ばれるもの』を目指し、人と地球にやさしくて長持ちし、人と人とのコミュニケーションで防犯に寄与する環境を備えた、リーズナブルなマンションを分譲しています。
 リバー平野ガーデンズは、大阪市住宅局、大阪市住宅供給公社の提案競技に提案し、採用されたものです。2006年の住宅の省エネ法による届出の義務化に先駆けて、省エネマンションに取り組みました。
 資材や住宅設備機器を厳選して省エネ効果を試算したところ、年間の冷暖房費を25%削減できることが明確になり、マンション全体が(財)建築環境・省エネルギー機構による建築物総合環境性能評価システム『CASBEE』※1のSクラスに、西日本で初めて認定されました。完成後は、実際に住む方にモニターをお願いし、省エネ効果を追跡調査する予定です。
 弊社は『建物だけでなく、地域の環境をつくる』をコンセプトとし、マンション完成後は緑地を地域のコミュニケーションの場として提供しています。弊社の個性は企画とスピードです。この点をご理解のうえ、引き続き建設をお願いします」と語った。


リバー産業株式会社
企画開発部 開発課

課長 田村征士


 建物はA棟、B棟、C棟、D棟の4棟で構成されている。着工は2005年7月。8月に杭打ちを開始。基礎工事完了後、その一部を一旦埋め戻し、資材のストックヤード、鉄骨の地組ヤードとして活用した。

 現場の作業時間は、8時から18時まで。工事車両が道路を使用できる時間は9時から17時までと限られている。この時間を有効活用し、施工効率を上げるために、作業車を効率良く使うよう綿密な計画を立てた。現場を7工区に分けて、コンクリートを打設。現場での作業量を削減するために、PCaとALC※2を採用し、在来工法なら1工区1フロアの施工に10~11日かかるところを、8~9日で施工して時間を短縮。2006年4月に躯体工事を完了した。

 仕上げ工事は、D棟、C棟、B棟、A棟の順に施工している。今年前半は雨が多かったので、コンクリート打設、仕上げ工事、外構工事が影響を受けたが、その都度調整を重ねて施工の遅れを取り戻し、設備工事、仕上げ工事、外構工事が急ピッチで進んでいる。



平野作業所 副所長 島野祥司


「着工の時期が、ちょうど愛知万博などのビッグプロジェクトの施工時期と重なったため、協力会社を確保することが大変でした。仕上げ工事では、外壁の吹き付けに初めての材料を採用し、試行錯誤した結果、施工法を確立できました。購入した方に喜んでいただけるよう、丁寧に仕上げてお引渡ししたいと思います」

屋上の造形は、
リバー平野ガーデンズのシンボル


やわらかい光を放つ
エントランスの照明

※1
CASBEEとは…技術の軌跡(14項)参照“Comprehensive Assessment System for Building Environmental Efficiency”の頭文字。(財)建築環境・省エネルギー機構が審査・認証を行っている、建築物の総合評価システム。大規模な建物を対象とし、CO2などの環境負荷(Load)と、環境品質・性能(Quality)のプラス・マイナス両面を総合化して性能を評価する仕組み。評価ランクとして、S、A、Bプラス、Bマイナス、Cの5段階がある。Sランク取得は、社会的な「環境力」の評価を示す。

※2
ALCパネルとは…ALCは“Autoclaved Lightweight aerated Concrete panels”の頭文字。日本では「高温高圧蒸気養生された軽量気泡コンクリートパネル」と呼ばれている。健康安全性、耐火性能、耐熱性能、遮音性能、施工性、強度、意匠性などに優れた建材として、ビルやマンションに幅広く使われている。


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