リバー平野ガーデンズ新築工事#2

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地球と人にやさしい環境技術 建築物総合環境性能評価システム「CASBEE」Sランク 西日本第1号取得マンション。地球と人にやさしい環境技術

 省エネ法による届出が2006年から住宅にも義務づけられた。それに先駆けて、リバー平野ガーデンズの設計にあたり、前田建設の環境技術を駆使した環境仕様でA棟の建設計画を立案。省エネ効果を具体的に算出し、外構の緑化計画も含めた環境計画が認められ、リバー平野ガーデンズは西日本初の建築物総合環境性能評価システム「CASBEE」※1のSランクを取得した。
 省エネ仕様となるA棟69戸の建設にあたり、まず建物の内部環境と外部環境の接点となる外壁と開口部に対策を講じた。外壁には「遮熱断熱吹付タイル」を採用。他の棟と調和するよう工夫を重ね、断熱効果のある中塗り材を吹き付けた。
開口部には、冬の暖かさを確保するために、複層ガラスのサッシを採用。Low―E※3膜と中空層の効果で、暖房の熱を逃さず、結露を防ぎ、太陽熱を取り入れ、省エネなどを実現。さらに、有害な紫外線を約87%カットして、人と家具を守る。
 室内の壁紙や天井のクロスにはシックハウス対策資材を採用。
 環境マンションのA棟69戸には、先進の住宅設備機器を導入した。換気には熱交換形同時給排気換気扇、同時給排気型キッチンレンジフードを設置して、熱損失を抑え、冷暖房費を節約して、快適な環境をつくる。
 さらに、全住戸に(財)省エネルギーセンターのエネルギー大賞を受賞した省エネ給湯機エコジョーズを採用。室内の空気を24時間きれいに保つ換気システム、安全な水を確保する浄水器や建物の給水管に磁気活水装置を設置した。
 また、外構には約3200m2の緑地を確保し、約2万1000本の樹木と約3万500株の草花を植え、6つの庭園をつくる。庭園は、地域の公園と調和して、新しいコミュニケーションの場となる。



※1
CASBEEとは…技術の軌跡(14項)参照“Comprehensive Assessment System for Building Environmental Efficiency”の頭文字。(財)建築環境・省エネルギー機構が審査・認証を行っている、建築物の総合評価システム。大規模な建物を対象とし、CO2などの環境負荷(Load)と、環境品質・性能(Quality)のプラス・マイナス両面を総合化して性能を評価する仕組み。評価ランクとして、S、A、Bプラス、Bマイナス、Cの5段階がある。Sランク取得は、社会的な「環境力」の評価を示す。

※3
Low-Eとは…“Low-emissivity”の略。赤外線の熱エネルギーを吸収し、再放射する率(Emissivity)が低い(Low)。
Low-E複層ガラスによる断熱化は、省エネルギー、快適な室内の実現、CO2削減に有効なことが認められている。

関西支店(設備担当)
主任
 宮本克久

「配線や配管を工場で作り現場で組み立てる工業化により、現場作業を省力化して、スピードアップを図りました。299戸のマンションには、購入者が選んだオプションも299通りあります。そこで、各住戸の資材を間違いなく施工するために、集中管理を実施しました。現在は、建築の流れに即して、設備工事の進捗状況を確認しながら、施工にあたっています」

外壁の遮熱断熱吹付タイルは、特殊バルーンを含有した遮断性・保温性のある中塗り層を吹き付ける工法。夏は室内を涼しく、冬は室内の暖かさを保つ。

開口部の高断熱Low-E膜コーティング複層ガラスは、冬は窓辺の冷気を抑え、外気温-19℃まで結露を発生させず、紫外線による日焼けを防ぐ効果もある。

平野作業所  所長 赤司一郎

このマンションは、IBECの「CASBEE」 Sランクに認定されるために、先進の住宅設備機器を採用するなど、さまざまな工夫をしています。299戸のマンションを約1年で建設するために、資材、工法、スケジュール管理など、できる限りの工夫を重ねました。すでに仕上げに入り、工事は順調に進んでいます。竣工まであとわずか。最後まで丁寧に施工し、品質を確保してお引渡ししたいと考えています。

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