温室は傾斜した形状のため、地盤レベルと建物との関係を把握することが難しい。また、A棟との取り合いにも工夫が必要とされたので、何度も検討を重ね工事を進めた。
温室1の鉄骨は、A棟の本体の躯体と取り合っている。したがって、本来ならばA棟の足場を解体してから温室1を施工するのが通常だが、限られた工期では、その手順を踏む時間がない。そこで、工期を短縮するために、A棟の足場の間に温室の鉄骨を差し込むかたちで施工した。
温室2は、A棟と温室1に接しているため、温室1と同時に建設した。
観葉植物を栽培する部分の床は、すべてコンクリートを打設。胡蝶蘭を栽培する部分の床は、鉢を置く位置には土を入れ、栽培する人が作業のために歩く通路にはコンクリートを打設した。
床下のピットでは、設備工事が進んでいる。栽培に適した温度・湿度をコントロールするために、最先端の設備を完備する。
この温室はtgs「多摩ファーム」となり、地元の障がいのある人々が胡蝶蘭や観葉植物の栽培に携わることになっている。 |