グローリオ芦花公園新築工事#2

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構造品質No.1への取り組み

前田建設はTPMsの運用も含めた「品質管理体制」を構築して、各施工物件の品質開示を積極的に行い、安全で安心な建物をご提供している。

グローリオ蘆花公園マンションギャラリー内
でのWEBカメラ映像

グローリオ蘆花公園の作業所に
掲げられている『構造品質No.1』宣言

施工記録の作成や施工の指示にTPMsを活用

 この現場では、セコムホームライフ株式会社様の「SCR」システムと、前田建設の「TPMs」を積極的に活用し、工事記録のデータベースを構築した。
 たとえば工事では、全部屋の工程ごとの施工記録写真や工程表、施工要領書など、また工務では、施工図面や、定例議事録、打ち合わせ議事録などのデータを登録している。
 また、TPMsの携帯型カメラで撮影した施工状況の写真を協力会社に見せることにより、具体的かつ的確に作業指示ができ、均一で高品質な躯体確保につなげている。
 建物の完成までのプロセスでは幾度となく設計との打ち合わせや納まり検討を行い、実施施工図をつくりあげていく。ある時点でそれまでの経緯を振り返るとき、図面、打ち合わせや記録、施工状況を記録した写真など、TPMsを活用したデータベースを役立てている。

 

TPMs

建物のライフサイクル全般(計画、設計、施工、維持管理)に至るすべての段階で、ICTツールを用いて関係者間で情報の共有・一元化を行い、お客様にとって効率的な施設運営をサポートするシステム。

グローリオ芦花公園作業所

建築係 神谷哲司

この現場で初めて内装工事を担当しています。パースを見て仕上がりをイメージし、天井と壁の取り合いなど微妙な寸法の違いを把握し、デザインの意図どおりに仕上げることが難しいのですが、仕上がりを見るとやりがいを感じます。石やタイルなど建材の種類が多く、輸入品も多いので、スケジュールどおりに資材を搬入するよう手配しています。芦花公園駅から現場に通勤するとき、山脈のように見える現場を眺めることが楽しみです。

高品質の建物と先進の設備で住環境を造る

 「グローリオ蘆花公園」の建物は、形状が複雑である。特にテラスレジデンス棟は、日影に配慮して設計された複雑な平面形状を把握するために、3D-CADシステムを駆使している。
 10棟の建物を同時に建設するために、各工種に複数の協力会社を選定。職員が協力会社を集めて施工上の注意点を徹底し、施工効率の向上と品質確保に努めている。
 躯体の施工には在来工法とPCaスラブを組み合わせた。鉄筋を配し、型枠を組み立て、コンクリートを打設し、型枠を外す一連の工程を繰り返し、細部まで丁寧に手造りの良さを活かして建設している。
 躯体コンクリート打設の際は、必ず職員が立会い、施工状況の確認・品質チェックを行った。断熱材の施工の際は、壁の端部に定規を張り、1戸あたり100カ所以上を測量して、ウレタン断熱の性能を確認している。また、全住戸で検査を入念に行い、均一で快適な環境を造っている。
 このマンションの特色は、バリエーションに富んだ間取りに、お客様のご要望にお応えする自由設計をプラスしている点である。たとえば、広いダイニングを2部屋に分ける、開き戸を引き戸にするなど、基本契約にはない設計変更にも対応している。このような場合は、その都度、簡易図面を作成し、見積もりをして、お客様にご提案し、合意を得て実施施工図を作成し、ご満足いただける住まいをご提供している。
 建物の外観や内装には高級感を演出するために、石材や、ドイツ製のシステムキッチン、イタリア製の洗面化粧台など、多くの資材や住宅設備機器を輸入している。そのため、綿密に資材搬入や施工計画を立てている。
 防犯設備は、防犯カメラ約140台、二重のオートロック、外周のフェンスセンサーのほか、エレベーターやエントランスホールの防犯設備など、三重、四重の設備を設置する。
 今後の現場の課題は、敷地中央にのびるコリドーの施工である。コリドーは一般道と同様に、地下にガス・上下水道などのインフラを埋設し、その後埋め戻して石材等を貼り、植栽を施す予定である。コリドー施工と平行してすべての工事を止めることなくスムーズに進めるために、コリドーをいくつかの区画に分けて施工する。
 2010年1月の竣工をめざし、工事は順調に進んでいる。

グローリオ芦花公園作業所

設備課長 三好結城

設備工事の施工管理を担当しています。マンションの設備工事には、給排水・衛生、空調・換気、電気などがあります。このマンションの設備の特徴は、防犯設備の充実と、ゲリラ豪雨による災害を防ぐために雨水貯留設備を設置するなど、防犯と防災のウエイトが高いことです。TPMsを活用して協力会社に的確に指示をして品質を確保し、ここで暮らす人々に設備の使いやすさを実感していただけるよう努めています。

 

グローリオ芦花公園作業所

工務所長 平野 晋

各工程の発注業者の選定や発注業務が主な仕事です。また、設計事務所と打ち合わせを重ねて形状や施工、取り合いを決め、施工図面を進める役割も担っています。このマンションは、すべての住戸でお客様のご要望に添った自由設計をお請けしているので、工務グループには6人から8人の職員を配置して対応しています。これから、音響関係の会社との協力体制でオーディオルームの遮音対策を検討し、お客様にご満足いただけるよう丁寧に施工しようと考えています。

自然環境の維持保全

建設地には世田谷区に指定された保存樹木が多く存在した。その樹木を新しいマンションに活かすために、樹木医に調査を依頼して移植に耐える体力のある木を選び、工事中は仮植地に一時移植し、再びこの地に本移植をし、緑豊かな環境をつくっている。

 

一日のはじまりは清掃から

この現場では、作業員と現場職員が一緒に、現場周辺の清掃を行っている。
11~12月には甲州街道のケヤキ並木の落ち葉を拾い、雪が積もった日は雪かきをし、現在はごみ拾いを行い、近隣のみなさまと挨拶を交わしてコミュニケーションを図っている。

 

地域行事に参加

現場職員は地域のお祭りに積極的に参加し、地域のみなさまと交流している。2008年9月には「烏山神社例大祭」の神輿担ぎに職員が参加。10月の「芦花まつり」では、現場ゲート前の敷地を出店用に提供した。

   

グローリオ芦花公園作業所
所長
 近 敏幸

マンション建設は地域に新しい環境をつくること

 マンション建設にあたり、近隣説明会を13回、その他の工事の施工・協定説明会等を含めると計30回ほど開催し、近隣のみなさまにご理解いただけるよう努めてまいりました。
 施工にあたり、敷地を3工区に分けて、職員と協力業者を配置しました。各々が知恵を出し合い努力して、安全と品質確保に常に取り組んでいます。施工も順調に進んでいます。
 マンションが竣工すると地域の環境が変わります。その新しい環境を喜んでいただけることを願っています。

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