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空想を、ともに現実へ

取締役常務執行役員 CSV担当 兼 技術統括 兼 建築事業本部副本部長 兼 土木事業本部副本部長 大川 尚哉

 

取締役常務執行役員
CSV担当 兼 技術統括 兼
建築事業本部副本部長 兼
土木事業本部副本部長

大川 尚哉

ICIロゴ

社会に対する価値提供を、オープンイノベーションで実現。

 ICI総合センター(以下ICI)設立に至る背景には、2つの大きなパラダイムシフトがありました。ひとつは当社をとりまく環境パラダイムが変わり、事業領域の拡大と革新に迫られたこと。その根底にあるものがテクノロジーの進歩です。AIやIoTが社会的な革命を起こし、事業環境はもちろんのこと社会そのものがパラダイムシフトを迫られ、建設業界のみならず多分野の企業に発想の転換が求められたのです。

 そしてもうひとつは、当社自体の経営方針のパラダイムシフトが挙げられます。それは「脱請負」という言葉に表されますが、従来型の「B to B」の事業形態だけでは会社の継続的成長は難しく、「脱請負」の柱の一つであるコンセッションのようにSociety(社会)を相手にしたビジネス、いわゆる、特定の顧客だけではなく、広く社会に価値を提供して、その対価をいただく新たな事業形態「B to S」に変化していくと定義しました。

 しかしながら、当社単独で複雑な社会課題や社会システムに対して多様な価値提供を行うことは不可能です。したがって、複数の企業の資源や技術、サービスを集約・融合し、「B with B to S」あるいは「B’s to S」という事業形態をとることが求められます。そして真の「B with B」「B’s」を実現させるためには、オープンイノベーションが必然なのです。

 今までの事業領域を超えて、さまざまな得意分野を持つパートナー企業と対等な共創関係「B’s」を構築し、さらにはベンチャー企業をインキュベートして新事業を起こし、社会課題に対してより良い解決策と価値提供をしていくことこそ持続的な成長のSeedでありEngineになると当社は考えています。またこうした考え方は、当社が標榜している「CSV-SS経営」、すなわち社会やパートナーと共に成長するという経営理念と真っすぐに繋がっているのです。

 このような「B’s」という共創関係の中で、とりわけベンチャー企業の方々に大きな期待を寄せています。自分たちの技術に対する絶大な自信、強烈な思いとやり遂げる意思、自由な発想やスピード感など、ベンチャー企業の方々は我々にはない強みを持っています。

 ただし、共創するベンチャーをインキュベートするにしても、ICIで彼らを囲い込むことはありません。なぜなら、彼らを自社の囲い込み戦略に取り込もうとした時点で、彼らの良さは全て消失してしまうからです。加えて、当社のベンチャー投資スキームは、直接的な金融リターンや経営参画を求めるのではなく、共創事業を通した付加価値としてのリターンを求めています。このところも、通常のベンチャーキャピタルなどとは大きく異なる部分です。

リアルな実装力を武器に、社会課題を解決する。

 Society=社会を真剣に見据えていないオープンイノベーションは、本当の意味でのオープンイノベーションとは言えません。一般的にオープンイノベーションが語られる場合、“技術開発の有効な手段”という発想に陥ることが多いですが、当社にそうした発想はありません。あくまでも「社会の課題解決に資する新事業をパートナーと共に創りだし、それを社会に実装する」というのがICIのオープンイノベーションであり、ICIの事業ドメインなのです。また、オープンイノベーションが上手く機能しない最大の原因は、結局は自社の営利や発展を一義的な目的にしてしまうことです。そうではなく、「社会に提供できる価値」を一義的な目的、およびKPIに据える、そして共創者と果実を分け合い共に成長する、この基本方針を絶対に守ることが成功の鍵となります。

 これまでは、社会に価値を与える役割を担ってきたのは、国や自治体、あるいは事業主の皆さまです。そうした方々が、より豊かな社会を目指し効率的なものにしようと計画を立て、それらを実際のカタチにするのが当社の仕事でした。このような既存領域の事業においても、今後はものづくり以前の企画・投資段階から参画し、社会的価値を高める能力を持つ必要があります。例えばマンションの建設ひとつとっても、これからの時代は建てて終わりではなく、その後の住民の方々がいかに豊かで快適な生活を送ることができるかまでを考えていくことが問われます。具体例を挙げるなら、健康や医療面でのサポートや、それらを見守るセンシング技術、これらを統合的にマネージする情報プラットフォームなども必要になるでしょう。これまでの既存領域においても、今後は当社の事業とは全く異なる領域の方々とタッグを組み、包括的かつ、より良いサービスの供給が求められることになるのです。

 つまり、今後当社が目指す“総合インフラサービス企業”の「インフラ」とは、もはや単なる「構造物」ではなく、私たちの生活基盤全てなのです。そう考えると、当社の事業領域は“建設”からさらに広がっていくことになります。これを加速させる社会的エンジンがIoTやICT、AIであり、あらゆる領域を超えて“情報”が資源になっていくことは間違いありません。

 そのような視点でICIを考えると、情報部門と技術部門が同等に並んでいる当社のような建設会社は希有な存在になるでしょう。これはまさしく「情報と技術という次世代資源を統合してイノベーションを起こしてゆく」という、当社の先進性の表れと自負しています。

 しかしながら、実際の社会実装は、コンセプトと資金と情報システムだけでは賄いきれません。またコンセッションの例になりますが、なるべく高い運営権対価を提示して、それをいかに事業とし成立させていくかではなく、そのインフラを核として解決できる社会課題に対して、具体的なアプローチを行い、どれだけ地域社会に新たな付加価値を提供できるかが重要と考えています。

 インフラに関する課題先進国であり、早くからコンセッションを採用しているヨーロッパの国々では、コンセッションの中核企業の多くは建設会社が担っています。つまりそれは、インフラを実装するリアルな力を持っているからに他なりません。当社が標榜するのも、まさしく「リアルな力を持った社会課題解決型の事業」です。だからこそ、継続的に会社が発展してゆくためには、当社自体が社会へ新しい価値を提供し続けることができなければなりません。そうした前提に立ち、コトを起こしてゆく場所としてオープンさせたのがこのICIなのです。

<写真>

ベンチャー企業の夢は、より良い社会の希望でもある。

 コトを起こす共創パートナーとなるベンチャー企業に対しては、まず彼らが考えている夢や、追及している技術が、どういうカタチで社会実装できるか、さらには、それが3年から5年くらいの期間で本当に事業として成立するかを徹底的に検討します。

 ICIは社会実装にこだわる事業活動です。10年後に花開くかもしれないベンチャー企業の漠然とした夢や、逆に、事業スキームがほぼ完成しているベンチャー企業への単なる資金提供は行いません。ICIがサポートするのは、あくまでも当社との共創パートナーです。先の開所式でアワードに選ばれたベンチャー企業の皆さんは、まさしくそのようなパートナーになりうる方々です。なお、先は読めないけれど、いずれは芽が出るかも知れないという基礎研究レベルのものに対しても、私どもは様々なお手伝いができるスキームを用意してします。

 ベンチャー企業の方々がサポートを求めているものは会社によってさまざまで、必ずしも資金面の充実ばかりではありません。ICIの計画を立ち上げる時に、さまざまなベンチャー企業にヒアリングを行いました。「本当のところは何が足りないのか」「どんなサポートが必要か」という質問に対して、返ってきた答えは「全て」でした。資金が足りない。場がない。お墨付きをもらえない。人がいない。ほとんどのベンチャー企業はこの4つ全てが足りてない。この中で「人」というのは、まさしく共創パートナーのことで、自分たちの技術を社会実装する上でmissingの部分に当たる「人=企業」のことです。このような調査結果も踏まえながら、事業をオープンイノベーションでやっていく上で、それを実現するために必要な全てのシステムや仕組みを考えて具現化したのがICIです。ICIはベンチャーの思いに対して決して「NO」と言わない場として、価値設計をしているのです。

 ベンチャー企業の皆さんが見ている夢は、より良い社会を築くであろう希望でもあります。しかしその多くが、自分たちの技術を具体的な社会実装のレベルまで落とし込めていないのが現実です。彼らは、技術の開発を一義的に考えているため、視野が狭くなっている部分が少なからずあります。それを違う視点から見るとより広い市場が見えてくる。そんな立場で彼らと共に事業計画をつくってゆくのがICIの役割です。

技術と知恵の“触媒”となって、社会実装までの道筋を示す。

 ICIは“技術研究所”ではありません。したがって、職員たちの肩書も、これまでの「研究員」を廃止して、上級管理職を「プロデューサー」とし、これまでの研究職を「カタリスト」に変更しました。「カタリスト」とは、化学反応を促す「触媒」という意味を持っており、今後ICIの職員たちが果たすべき役割を象徴的に表しています。例えばベンチャー企業から「こうした技術があるのだけれど」と相談を受けた時、その窓口となり、共に最善策を考えてゆくのがカタリストたちの仕事です。技術に対する評価はもちろんのこと、違うジャンルのベンチャー企業と結びつけてマーケットの拡大を促したり、社会実装までの道筋を示すのもカタリストたちが担う大事な役割です。

 当然ながら、これまで研究員として働いてきた職員たちは、相応の知識も求められ、仕事の幅が広がることは必然です。現在は生体センシングや自動認識技術、ナノテクノロジーなど約50ほどの先進技術にジャンル分けをして、カタリスト一人ひとりに専門分野に取り組んでもらい、それぞれのジャンルの情報収集を行い、ベンチャー企業との接触を試みています。

 これまで基礎研究に没頭していた職員が、ベンチャー企業のインキュベーターとしての役割を果たす。確かにこれは、かなりドラスティックな事業革新と言えるでしょう。一方、こうした流れの中から「ならば自分がベンチャーを立ち上げて、ICIの支援を受けたい」という声が職員の中から挙がるなど、前向きな意識変化の兆しも現れています。それはあくまでも特異な例ですが、ICIの職員たちには、実装することの面白さに気づいて欲しいと思っています。論文を書いて同分野の研究者から一目置かれることに喜びを感じるのではなく、社会実装をして多くの人々に喜ばれることが、仕事のやりがいや生きがいになるよう変わってもらいたいと思います。そのためには、個人の知見や知恵だけでは限りがあります。自分自身が触媒となって、仕事をプロデュースしていくビジネススキルがこれからのICI職員には求められるのです。

 もともと建設会社は“触媒”になるのが得意な業種です。多方面から、いろんなものを持って来て課題解決するのが建設会社の仕事です。そこを再認識して、具現化するものが「建設技術のコントラクト」ではなく、「社会課題のコントラクト」に変わったということを職員たちにも理解して欲しいと願っています。そうした変化の兆しを、リアルな出来事として認識してもらうのが、今回のICIの開所式でありアワードの目論見でもあったのです。

前田建設が目指す全てが、ここICIに集約されている。

 4年ほど前からICIのコンセプトをいかに具現化するかに取り組んできました。概ね計画通り達成していると思っていますが、活動の成果、いわゆる“社会実装”が本格的に実現していくには、あと数年かかるでしょう。さらにはそれを、継続的に産み続けてゆかなければなりません。それは、ICIに課せられたこれからの最重要課題です。

 ICIで具現化されたコンセプトは、当社の新しい経営方針や事業計画に不可欠なものです。これをきちんとした成果に結びつけていくことが、社会に対してだけではなく、パートナーや、これから当社と共に共創してゆきたいという方々に対して、最も説得力のあるメッセージになっていくことは間違いないでしょう。

 ICIは、今後の前田建設が目指す“総合インフラサービス企業”の象徴です。さらに言うなら、ここは当社だけのものではなく、ベンチャー企業のものでもあり、協力会社の皆さんのものでもある。さまざまなパートナーの皆さんと社会の課題を解決してゆく活動モデルがここにあります。

 ICIは、当社の将来そのものであり、そして今現在、前田が社会に提供できる価値の具現化でもあるのです。

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