ファンタジー営業部
GRAN TURISMO 4編
本編へ
本店 土木技術部 建設環境グループ 副部長 林 克彦

 Part 7に登場してくれたO部長。次々と繰り出される知的な技術用語に、ハートを射止められた女子も少なくないはず。同時に、土木屋さん等でないと、内容が多少難しく感じられたかもしれません。
 そこで、今回は番外編として、O部長(=林副部長)の取材内容を、違う取材者による「アナザーバージョン」としてご紹介します。前回と若干内容が重なりますが、ご容赦ください。
 今回は、林副部長による「最終処分場講座」といったところです。そのライブ感をお楽しみいただき、最終処分場への理解のお役に立てば幸いです。
(*寒い時期に、クールビズで失礼します。9月に撮った写真なので…)

(C)前田建設 All Rights Reserved
林 克彦
(はやし かつひこ)
前田建設工業株式会社
本店 土木技術部 建設環境グループ
副部長(2005.12月現在)
昭和54年入社。北海道の高速道路や下水道工事等に携わった後、本店土木設計部で土木構造物全般を受け持つ。その後、本店土木エンジニアリング部(後に土木技術部に改編)の立ち上げ時から参画し、汚染土壌浄化担当を経て最終処分場のスペシャリストに。
中学時代から大のサッカー好き。なので、サッカーのナショナル・トレーニングセンター「Jヴィレッジ」(福島県双葉郡楢葉町)の設計施工に従事した時は「楽しくてたまらなかった!」。現在も、社内のサッカー部で左のMFを務める。
 休日は、房総にあるログハウスで、海と山を眺めたり、庭づくりをするのが楽しみ。まったりしすぎて、仕事も勉強も手につかないのが悩み。
1微生物が大活躍!
A部長 さっそくですが、汚染された土壌って、どのように処理すればいいですかね?
林副部長 土壌の汚染が低濃度であれば、土壌菌を用いればOK。微生物は好気性なので、土を耕して栄養剤を撒き、空気を入れると、活発化して土壌をきれいにしてくれるよ。
C主任 想像していたより簡単かも…。じゃあ、土壌がひどく汚染されている場合はどうですか?
林副部長 それだったら、当社の技術「スパイラル・ソイルウォッシャ1)」で、汚染土壌をきれいに洗っちゃったほうがいいな。
B主任 いきなりウチの技術の宣伝ですかい(笑)。広報部長が、えらい喜ぶわ〜!
当サイトの画像は株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメントによる許諾の元に使用しています。掲載されているすべての著作物の無断転載を禁止します。
※1)
スパイラル・ソイルウォッシャとは


当社技術の宣伝、ありがとうございます(by広報部長)
(C)前田建設 All Rights Reserved
   
◆解説「スパイラル・ソイルウォッシャとは」
 重金属汚染土壌の浄化技術。一般的な土木工事で用いられる機械を使用し、サイクロンの分級・摩擦効果を利用して土壌を洗浄する。汚染物質が低減し、環境基準を下回った粗粒分(れき・砂)は、清浄土として再利用できるため、最終処分量が約30〜50%低減する。
 他に、「ミキシング・ソイルウォッシャ」(油汚染浄化技術)、微生物処理工法、ダイオキシン類汚染土壌の浄化技術等がある。
  ↑up
2サーキット場に、牧場と繁殖工場!?
  ↑up
林副部長 もしくは、微生物の分解牧場を造るのもいいね。
C主任 ぼ、牧場!?牧場って言ったら、牛がモーモーしてるとこしか想像できないんですけど…。
 
牧場って、こんなイメージ。
(C)前田建設 All Rights Reserved
 
B主任 微生物がうじゃうじゃしとる牧場って…。なんか痒なってきたわ(涙)
林副部長 ははは(笑)。土壌菌の在来種(その土地の菌)には限界があるから、優秀な外来種を入れることで活発化させるんだよ。でも、外に漏れると環境を乱しちゃうから、管理が大変なんだけどね。環境省の検査でクリアしたら使えることになっているよ。
A部長 まるで、ブラックバスみたいだな。
林副部長 じゃあ、「地下微生物繁殖工場」ってのはどう?
B主任 もう牧場だけで十分ッスよ…。
林副部長 いやいや、言い換えれば「クローズシステム」というもので、最近よくあるものなんだけどね(笑)なぜ、クローズかと言うと、主に次のようなメリットがあるからなんだ。
<メリット>
(1) 外部への飛散を軽減し、臭気が広がらない。
(2) 雨水の浸入がないので、大規模な水処理施設は不要。
(3) 計画的に空気と水を与え、廃棄物の安定化と微生物の活性化を促進できる。
(4) 上部を公園やレジャー施設などに利用でき、かつクリーンなイメージ。
C主任 地下工場で、こうやって菌を増やして、分解させるんですね。
A部長 なるほど、日本酒製造工場と同じってか。む、赤ちょうちんがわしを呼んでいる。じゃ!(A部長、退場する)
B主任 部長〜!
 
2陸のタンカー
C主任 ウチの会社で、最終処分場の実績ってありますか?
林副部長 最近、結構あるよ。なかでも珍しいものは「鋼板遮水最終処分場2)」。「鋼」でわかるとおり、まさに船、「陸のタンカー」。実績のある鋼板遮水処分場は、鋼板とアスファルトコンクリートの二重遮水構造だけど、実際のタンカーのように鉄板の二重底にすれば、万が一油が漏れても肉眼でわかるんだ。こんな感じで、人間が検査のために入ることができる。
  ※2)鋼板遮水システム:
薄く強靱な鋼板を、造船等で培った溶接技術で強力遮水した処分場。地震・不同沈下に対して十分な耐力があり、安心。また、腐食をコントロールし、耐久年数を設定できる。
(C)前田建設 All Rights Reserved
↑up
B主任 陸のタンカーだなんて、まさにファンタジーや!航海に行けそう!
 
4最終処分場、絵で見てみよう
林副部長 前回提案した、スタンド席の地下に造る最終処分場だけど…。形を具体的に決めないとな。その前に、最終処分場には2タイプがあるってことを、絵を描いて説明するよ。
どんな絵を描いてくれるかな?
(C)前田建設 All Rights Reserved
  ↑up

(1) サンドイッチ方式

(2) シェル方式

(C)前田建設 All Rights Reserved
林副部長 微生物を活性化させるためには、適度な空気と水分があるといいから、こういうシステムもいいね。
(C)前田建設 All Rights Reserved
 
5席替えで長持ち!
林副部長 ふう。やっとここまで来たよ。で、僕がグランドスタンド地下に最適だと思うのは、こんな感じで区切られたハコ。それぞれの容器に、汚泥、残さ(破砕残さ、粗大ゴミ)、消却灰、煤塵などを入れるんだ。
(C)前田建設AllRightsReserved
 
<メリット>
各容器内で撹拌できる。
ローテーションさせることで、順番に空きスペースができ、構造物の維持管理が容易にできる。つまり、構造物全体を健全な状態に保つことができる。
ローテーションすれば問題ないが、鉄が錆びないようにさらに電気防錆を施すと、10倍長持ちする 他
 
C主任 「10倍長持ち」って、どのくらいですか?
林副部長 通常モードで30年ってところだから、300年くらいかな?
C主任 300年!!
B主任
林副部長 それだけ、廃棄物を処理するのは大変なんだ。金額の面から言うと、処理費は1トンあたり平均2万円前後かかる。だから、見方を変えれば、ビジネスチャンスってわけ。受注が増えるよう、ファンタジー営業部で宣伝してね。頼むよ!
「頼むよ!」
(C)前田建設 All Rights Reserved
B主任 「いっぱい粗大ゴミ出して」ってことでっか?
C主任 違うってば!はい、PRがんばります!今日はありがとうございました。
 

 なんとなく、廃棄物処理についてわかってきたB主任とC主任。ゴミって、「ゴミ捨て場に出したら終わり」という意識でいたが、処理に時間とコストが非常にかかることを知る。同時に、「ゴミの山は宝の山」とも。
 林副部長からの期待に、どうすれば応えることができるか。また、ゴミでどうやって金儲けしようか、思いめぐらす二人だった。

 次回からは、グランドスタンド等主要設備の検討に入ります。どうぞご期待ください。1月31日(火)公開予定。

 

 

 

   
backnext    
↑up
TOPへ
お問合せはこちら
→前田建設オフィシャルサイトトップへ
MAEDA