2019年11月18日山岳トンネル工事の安全および生産性を向上する鋼製支保工建込みロボットを実現場へ導入完了

<概要>

 前田建設工業株式会社(東京都千代田区、前田操治社長)は、古河ロックドリル株式会社(東京都中央区、三村清仁社長)、マック株式会社(千葉県市川市、宮原宏史社長)との共同で開発した、鋼製支保工建込みロボット※1を当社施工中の国土交通省 九州地方整備局 宮崎218号平底トンネル新設工事および国土交通省 東北地方整備局 広瀬1号トンネル工事に導入し、現場施工における生産性や安全性などの導入効果を確認いたしました。(※1 2017年10月6日発表:https://www.maeda.co.jp/news/2017/10/06/4865.html

 

<詳細>

 鋼製支保工建込みロボットは、自動追尾型トータルステーションなどで構成する「支保工位置ナビゲーションシステム」、支保工位置の微調整が可能な「高性能エレクター」、人力作業を必要としない「自動建込用鋼製支保工」により、支保工の位置合わせなど、従来は人が切羽で行っていた作業を機械化する技術であり、平成29年10月当社らが開発し(図1・2)、当社施工中の宮崎218号平底トンネル新設工事および広瀬1号トンネル工事に導入して現場試験・改良を積み重ねてきました。この度、現場試験を終え、本技術の導入による効果を確認いたしました。

 

【本技術導入による効果】

ワンタッチ式クイックジョイントによる天端継手締結(図3)や金網と転倒防止用アンカーを事前設置した鋼製支保工(図4、5)を把持しながらコンクリートを吹付ける事で(図6)、作業員の切羽立入を不要にしました。
標準的な施工では、オペレーター1名と切羽に立ち入る作業員数名が必要となりますが、オペレーター1名で鋼製支保工の位置合わせ作業が可能となりました(図7~9)。
人力で行っていた位置合わせ作業のICTを活用した機械化、金網などの現場設置作業の省略、吹付けコンクリートと鋼製支保工建込み作業の並行作業により、通常施工スピードの約1/3で鋼製支保工建込みが可能になりました。
人力・目視で行っていた鋼製支保工の位置合わせ作業にICTを活用して機械化することにより建込み精度が向上し、特に従来の定尺長のつなぎ材を省略することにより、カーブ区間における建込み精度が向上しました

 

 本技術の導入により、鋼製支保工建込み作業の大幅な省人化と施工サイクル短縮による生産性向上や高精度建込による品質向上を実現するとともに、切羽肌落ち災害に対する安全性が格段に向上します。

 今後当社は、本技術を核として、トンネル掘削作業の自動化技術構築を推進し、社会的課題である生産性向上と安全性向上に取り組み続けます。

 

<問い合わせ先>

前田建設工業株式会社 総合企画部 広報グループ

電話:03-5276-5132

 

図1 鋼製支保工建込みロボットの全景

 

図2 鋼製支保工建込みロボットの技術構成

 

図3 ワンタッチ式クイックジョイントによる天端継手

 

図4 金網を事前に溶接固定

 

図5 転倒防止用アンカーを事前に固定

 

図6 エレクターにて把持しながら吹付けコンクリートを施工

 

図7 鋼製支保工へのプリズム設置と位置合わせ状況

 

図8 オペレーターによる位置合わせ状況

 

図9 ナビゲーション画面

 

山岳トンネル工事の安全および生産性を向上する鋼製支保工建込みロボットを実現場へ導入完了

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