<概 要>
前田建設工業株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:前田操治、以下「前田建設」)は、複数台の油圧ショベルを自律運転可能な「自動施工計画・管理システム(以下「本システム」、特許出願中)」を開発し、前田建設のICI総合センター(茨城県取手市、以下「ICI」)にて、日立建機株式会社(本社:東京都台東区、執行役社長:先崎正文、以下「日立建機」)、株式会社イクシス(本社:神奈川県川崎市、代表取締役Co-CEO:山崎文敬、狩野高志、以下「イクシス」)と共同で実証試験により、本システムの実用性を確認しました。
写真-1 前田建設ICI総合センターにおける実証試験全景
本システムは、BIM/CIMにおいて施工計画モデルから詳細な作業計画モデルを自動生成し、その計画に基づいて複数台の油圧ショベルを自律制御可能なシステムです。近年、建設業界では、少子高齢化や技能労働者不足といった問題に対応するため、安全性と生産性の向上が求められています。現在開発が進められている遠隔操作技術などにより構成される無人化施工技術は、安全性向上は期待できるものの
生産性向上への寄与は限定的です。その為、前田建設と日立建機、イクシスは、1人で複数台の油圧ショベルをオペレーション可能な本システムの実証試験を行いました。
<システム概要>
本システムは、計画、指示・管理、実行までの一元管理が可能であり、BIM/CIMデータである仮想空間(サイバー空間)と実現場である現実空間(フィジカル空間)とが連動するデジタルツインを実現しています。本システムの実証にあたっては、計画から実行までの機能を各社分担して試験を行いました(図-1)。
図-1 本システムによる一元管理概念図
<実証試験>
前田建設のICIにて、実証試験を実施し、本システムの実用性を確認しました(写真-2)。また、実証試験の様子は日立建機の公式YouTube(https://youtu.be/HcBQmzRTHFA)に掲載されております。
①仮想空間(サイバー空間)
②現実空間(フィジカル空間)
写真-2 実証試験の様子
<効 果>
本システムの導入により、少人数のオペレータによる複数台の油圧ショベルの自律施工が可能になり、一人あたりの生産性向上が期待できます。また、油圧ショベル以外の運搬・敷均し・締固めなどの自律施工機械に本システムを適用することにより、更なる生産性向上が期待できます。
建設現場では、生産性と安全性向上を目的に、様々な現場で遠隔化・自動化・自律化の技術が求められています。今後、本システムは、山留掘削、トンネル・シールドなどのズリ・土砂搬出、ダム・道路などの造成といった様々な建設現場への適用に加え、人が行きにくい危険個所である災害現場や放射性廃棄物の処理・処分といった現場における活用が可能と考えています。
<関連情報>
前田建設 ニュースリリース:https://www.maeda.co.jp/news/2024/03/25/5484.html
日立建機 ニュースリリース:https://www.hitachicm.com/global/ja/news/press-releases/2024/24-03-25/
イクシス ニュースリリース:https://www.ixs.co.jp/news/3091
<問い合わせ先>
前田建設工業株式会社
経営革新本部 広報部
E-Mail:maeda-release@jcity.maeda.co.jp
油圧ショベルの自律運転を可能にする「自動施工計画・管理システム」を開発、実用性を確認~BIM/CIMより生成した作業計画モデルに基づく複数台自律制御を可能に~