前田建設工業株式会社(本店:東京都千代田区、社長:前田操治、以下、「当社」)は、当社が施工する現場の盛土工事において、自動運転ローラを導入し、本施工に適用したことをお知らせします。
建設現場における担い手不足が深刻化するなか、施工の省人化と品質管理の高度化は喫緊の課題となっています。特に盛土工事では、ブルドーザによる盛土材の「敷均し」と、振動ローラによる「締固め・転圧」が一般的であり、従来は複数の重機に対してそれぞれオペレータを配置する必要がありました。当社は今回、自動運転技術を活用することで、こうした施工体制の効率化と生産性向上に取り組みました。
本取り組みでは、西建工業株式会社と株式会社DeepXが共同開発した「後付け型振動ローラ自動運転システム」を活用しました。ブルドーザによる敷均し作業と、自動運転による振動ローラの転圧作業を組み合わせた省人化施工を実施しています。
これにより、従来はブルドーザと振動ローラにそれぞれ1名、計2名必要だった運転手を、ブルドーザのオペレータ1名のみで2台の重機を運用できる施工体制となり、その結果、作業人員の50%削減を実現しました(図-1)。

図-1 従来施工と自動運転ローラ適用時の比較
今回適用したシステムでは、ブルドーザが敷均しを行う一方で、振動ローラはあらかじめ設定した施工範囲および転圧回数に基づき、自動運転で転圧を行います。本施工では、区画Aで振動ローラを自動運転させ、区画Bでブルドーザによる有人施工を行う構成としました。ブルドーザ運転手は、運転席に設置したタブレット端末に表示されるヒートマップやカメラ映像を確認しながら、施工全体の進捗を把握します。異常が発生した場合には、緊急停止ボタンにより振動ローラを停止させる運用としています(写真-1)。

写真-1 自動運転する振動ローラの施工状況
本施工における概略手順は次の通りです。まず、ステップ1として、区画Aにおいて運転手がブルドーザに搭乗し、敷均しを行います。次に、ステップ2として、区画Aの敷均し完了後、ブルドーザを区画Bへ移動させて敷均しを継続する一方、区画Aではあらかじめ設定した範囲・回数で振動ローラを自動運転させ、振動・締固めを行います(図-2)。この間、ブルドーザの運転手は、運転席に設置したタブレットに表示されるヒートマップにより、振動・締固め回数の進捗を確認します。さらに、緊急時には運転席前方のカメラ映像および俯瞰映像により異常の有無を確認し、必要に応じて緊急停止ボタンを押して振動ローラを停止させます。

図-2 自動運転ローラ適用時の施工手順
また、振動ローラの施工状況は、PCまたはタブレット端末上でリアルタイムに確認することができ、走行軌跡や転圧回数の分布を把握できます(図-3)。これにより、従来はオペレータの経験や感覚に依存しやすかった転圧作業について、施工履歴の見える化と客観的な管理が可能となります。施工管理データを活用することで、盛土工事における品質管理の高度化にもつながることが期待されます。

図-3 転圧回数の管理画面例
本施工を通じて、当社はブルドーザと振動ローラを組み合わせた盛土工事において、自動運転ローラを活用した省人化施工を実施しました。特に、ブルドーザ運転手1名が施工を継続しながら振動ローラによる転圧作業の進捗をタブレット上で確認できる点は、作業員配置の効率化に加え、施工管理の高度化にも寄与するものと考えています。
今後は、無人作業エリア外に配置した監視員のもと、複数の建設機械を自動運転化することを見据え、現場適用に向けた知見の蓄積を進めてまいります。
<問い合わせ先>
インフロニア・ホールディングス株式会社
(前田建設 広報担当)
E-Mail:infroneer-release@infroneer.com
盛土工事に「自動運転ローラ」を導入、省人化を実現<br>~ブルドーザと組み合わせて敷均し・転圧の作業人員を50%省人化~