前田建設工業株式会社(本店:東京都千代田区、社長:前田操治、以下「当社」)は、株式会社前田製作所(本社:長野県長野市、社長:伊藤正義)の協力を得て、道路橋床版更新工事の施工範囲を従来比で最大約2倍に拡大した連結式半断面床版架設機「どすこいガントリー」(特許出願中、以下「本機」)を開発しました(写真-1)。
本機は、急速施工が可能なうえ、半断面施工に対応するコンパクトさを実現したことで、更新工事に伴う交通規制による渋滞の発生抑制に貢献します。

写真-1 連結式半断面床版架設機「どすこいガントリー」
近年、高速道路や幹線道路の床版(車両の荷重を支える構造部材)の劣化が進んでいます。老朽化の進行に加え、凍結防止剤や飛来塩分によるコンクリートの剥離・鉄筋腐食、大型車両の通行量増加に伴う疲労などが原因となっており、日本全国で大規模な道路橋床版更新工事が進められています。
連結式半断面床版架設機「どすこいガントリー」(どこでも すばやく コンパクトに いつでも 取替できる架設機)は、2基のメインユニットをロングスパンガータで連結することにより、従来の床版架設機よりも広い範囲で床版取替の施工を可能としました(写真-2)。従来機では1回の設置で施工できる床版取替枚数は3枚程度でしたが、本機は15mのロングスパン構造を採用することで、1回の設置で5~6枚の床版取替が可能となりました。1回あたりの施工範囲を従来比で最大約2倍に拡大したことで、施工の効率化と工期短縮に寄与します。
さらに、最大機械幅を4,000mmに抑えたことで、道路の片側を通行させながら施工を行う「半断面施工(2車線道路の場合1車線規制)」にも対応しました。これにより、全面通行止めを回避しながら更新工事を進めることが可能です。
これらの効果については、実物大実証試験により確認しています。
本機は他にも、次のような特徴を有しています。
・ メインユニットは1基ずつトレーラで運搬可能となっており、大型クレーンを使用せずにトレーラから自立できるため、1車線内でも安全かつ高速に組み立てが可能です。
・ 機械高さは5,800mm~6,500mmまで変更が可能であり、上空障害に合わせて機械高さを変更することが可能です。
・ 定格荷重は15tで、壁高欄(コンクリート製の安全柵)一体型床版の吊り上げも可能です。
・ 鉄輪の昇降機能により、複雑な路面勾配でも水平状態の施工が可能です(写真-3)。
・ 平面半径R1,000m、縦断曲率半径R2,000mまで対応しています。横勾配は2%対応、走行縦断勾配は6%対応となっています。
・ トレーラ通行スペースの確保と吊り装置回転機構により、スムーズな床版の受け渡しが可能です。
・ メインユニット単独仕様による床版の架設・撤去も可能であり、現場条件に応じてメインユニット連結仕様と使い分けて施工することが可能です。

写真-2 連結式半断面床版架設機「どすこいガントリー」 (上方より)

写真-3 「どすこいガントリー」の鉄輪昇降機能
【今後の展開】
本機は令和8年10月より、常磐道 日立中央IC~日立北IC間における更新工事への導入を予定しています。
当社では道路橋床版更新工事の工期を短縮し、工事に伴う社会的影響を減らすべく、今後もさらなる改良を進めてまいります。
<問い合わせ先>
インフロニア・ホールディングス株式会社
(前田建設 広報担当)
E-Mail:infroneer-release@infroneer.com
連結式半断面床版架設機「どすこいガントリー」を開発 ~1回あたりの施工範囲を最大約2倍に拡大、床版更新工事の工期を短縮~