振動ローラ加速度応答法による
盛土管理技術
「αシステム」

技術の概要

本システムは、振動ローラの加速度応答が地盤の締固めの進行にともなって変化する現象を利用し、振動ローラの加速度から地盤の剛性や密度を自動判定するシステムです。本システムを振動ローラに搭載することにより、施工を行いながらリアルタイムに、かつ施工面全体にわたって締固め地盤の品質を合理的に評価することができます。

技術の特徴

■本システムは、以下の装置から構成されます。

  • 1.解析装置(αシステム):転圧中の振動ローラの加速度データから、地盤の変形係数と密度を2.0秒毎に算出します。変形係数は独自の理論式により、また密度は事前のキャリブレーション試験により取得した相関式により算出します。
  • 2.GPS:振動ローラ加速度の走行軌跡を計測します。
  • 3.車載ノートパソコン:αシステムから出力される地盤変形係数・密度とGPS座標を同期させ、施工面上の平面的な分布をリアルタイムに表示します。

■解析装置(αシステム)は、幅12cm×長さ20cm×高さ12cm、重さ3.0kgのコンパクト設計。運転席内でわずかな設置スペースしか必要ありません

■適用土質の目安は、以下の通りです。

  • 地盤変形係数の評価:礫質土から粘性土まで、任意の土質に適用可能です。
  • 地盤密度の評価:砂礫系で材料変動が小さい場合に適します。

■オプション機能として、(1)GPSによる転圧回数の判定機能、(2)無線LANによる現場管理室パソコンでのリアルタイム表示機能も付加することができます。

加速度計、GPSアンテナ、振動ローラ、加速度解析装置(αシステム)、車載ノートPC、地盤変形係数Eの判定結果画面

メリット

従来のRI法や平板載荷試験による品質管理に比べ、

●施工面全体にわたる高精度な品質管理が可能となります。特に、転圧面における「弱部の検出」に極めて有効です。

●現場計測作業が不要となるため、省力化と安全性の向上が図れます。

実績
  1. 1)関空2期空港島造成工事(2003.12~2008.6)
  2. 2)国交省和田山八鹿道路上谷トンネル工事(2008.9~2010.3)ほか50箇所以上
NETIS登録No.
KT-050054-V
適用工種
土地造成(道路・鉄道・空港盛土、フィルダム、宅地造成、転圧埋戻し工)
関連資料
藤山ら:振動ローラ加速度応答を用いた地盤剛性評価装置「αシステム」の開発、土木建設技術シンポジウム論文集、土木学会、pp.137-142、2005 他
関連技術
品質管理(盛土)|AtlasX(旧αシステム)
備考
αシステムは、大林組との共同開発技術です。