安全性を保障する高度な耐震設計システム
免震構造は、建物を
- 1.アイソレータと呼ばれる支承により、鉛直方向はしっかりと、水平方向は柔らかく支える。
- 2.復元力機構により元に位置に戻す。
- 3.ダンパーと呼ばれる減衰機構で地震時のエネルギーを吸収する。
以上の機能を持つ免震層を設けることにより、地震動が建物に伝わらないようにする構造です。
床免震構造はこの原理に基づき、システムを小型化し、建物内で特に高い安全性が要求される施設を部分的に地震などの外力から守る技術です。


床免震システムの特徴
- 地震力により床部分に発生する応答加速度(フロアレスポンス)を低減でき、必要な部分を要求性能に合わせて設計できるため、経済的に優れた方法です。
- 新築に限らずリニューアル工事で採用することもできます。
主な特徴
- 機械設備・OA機器・美術品・精密機器(電子顕微鏡、半導体施設等)
- 病院手術室・集中治療センター
等の高い安全性が要求される施設に適してます。
床免震システムの構成
床免震システムは、以下の3要素から構成されています。

床免震システムには水平方向の揺れに対応した2次元床免震システムと、水平+上下方向の揺れに対応した3次元免震システムがあります。2次元床免震システムを構成する装置の組み合わせは以下の3種類に大きく分類されます。
- A. ベアリング系支承+復元力機構+ダンパー(減衰機構)
- B. 復元力機構を有するベアリング系支承+ダンパー(減衰機構)
- C. 高減衰ゴムを使用した多段積層ゴム支承(支承+復元力特性+減衰機構)
これらの支承部に空気バネやスプリング+ダンパーを組み込み、上下方向の動きに対応したものが3次元床免震システムです。
アイソレータ(3次元)の例


空気バネ

(引張コイルバネ)

(オイルダンパー)