上流部の高低差100mでの急勾配には、作業構台から工事用道路を造成。大型土嚢を積んで道幅を確保するなど工夫し、索道を設置して施工箇所に小型重機を吊り上げ、大型重機を組み合わせて作業した。
上流部斜面は上部から下部へ向けて施工。上部の掘削法面整形は、ロッククライミングマシンと作業員を町道から吊って作業をした。まず地山を高さ3mずつ掘削法面整形して不整地運搬車で土砂を搬出。さらに法面整形完了ごとにフリーフレームを設置し、法面を安定させた後に次の工程施工をした。また、斜面中腹に暗渠を設け湧水処理を行い、各小段では上下流方向に雨水を処理して掘削土の含水調整を行った。
下部アンカー設置の際は、下地処理として長繊維混入補強土工(※)を行った。さらにアンカーを1日2本のペースで削孔定着し、下2段はPCフレームのアンカー、3段目以上は鋼製フレームのアンカーを採用した。
※長繊維混入補強土工とは、繊維と砂を混ぜて厚さ20㎝ほど吹き付けて、もたれ擁壁を造る工法。
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自動追尾計測器
掘削中は地山の変動を、掘削後は表層の状況を観測するために、斜面に面した山に自動追尾計測器を設置。
アンカー設置
不揃いな地山の整形後、アンカーの角度調整用の下地処理(モルタル吹付)を施し、アンカーを造成し、緊張した。
斜面完成予想図
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