本リニューアル工事について、キヤノン電子株式会社 常務取締役の石塚巧氏は次のように語った。
「現在当社はコスト削減に取り組み、賃貸物件から自社ビルへという動きがあります。その一環として、JR浜松町駅や都営地下鉄大江戸線大門駅に近く、旧芝離宮恩賜庭園に隣接するこのビルを当社が入手し、キヤノン電子テクノロジーが入居することになりました。
キヤノン電子テクノロジー株式会社は、キャノン電子の関係会社で、社員数約700名を擁するソリューションサービス会社です。
築年数が経っているためリニューアルを計画しましたが、ソリューションサービス会社らしく、人を驚かせるビルにリニューアルすることになりました」
前田建設への発注の経緯は「2010年に埼玉県本庄計画や美里工場を建設したときにフットワークがよかったことや、以前当社でプレゼンテーションをしていただいたときに一番良い提案をしてくれたこと、前田相談役や小原社長との信頼関係を築いてきたことが、きっかけになりました」
リニューアルにあたり工夫した点は「エントランスとホール、エレベーターのデザインを、当社の酒巻社長が水戸岡鋭治氏にお願いし、白を基調にした明るさと、真っ赤なモザイクが印象的なエントランスやエレベーター、木漏れ日のあふれるホールという、非常にインパクトのある空間を実現できました。エレベーターで8階会議室に着いた方は、目の前に広がる景色を見て『おお!』と驚くそうです。
防災面では、東日本大震災の被害を教訓として、耐震天井を採用して安全を確保。OA床にして配線を床に収納。屋上の防水や空調機器も更新することにしました。
また、1階に入居しているタリーズコーヒーからの『日本で2番目のフラッグショップなので従来のまま営業を続けたい』という要望を反映し、営業しながら施工をお願いしました」
前田建設の仕事ぶりについては「前田建設の良さは、スピーディに仕事に取り組むことです。
当社では『ありがとう』は当たり前。『早い』『すごい』と実感できる仕事をすること、『相手の立場に立って考えること』『即行動すること』『即報告すること』で信頼関係が築けると考えています。このような観点から、前田建設の仕事を評価しています。
また、植村所長のトイレのレイアウト提案で、ゆとりある空間が生まれました。これは、キヤノンが生産革新に貢献した設備や治工具の開発・導入を表彰する『知恵テク』の取り組みに相通ずるものだと思います」と締めくくりました。
1階ホールとエレベーターホール
ボイラー室を木漏れ日のホールに(左)。エレベーターの純白のドアが開くと、深紅のモザイクの異空間が登場。
改装前の1階ボイラー室 |
2013年2月4日、キヤノン浜松町ビル開所式での一幕。キヤノン電子酒巻社長(左)・前田靖治相談役・水戸岡鋭治氏(右) |
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キヤノン電子株式会社
常務取締役
人事センター所長
経理部長
石塚 巧氏
改装後の8階会議室より
旧芝離宮恩賜庭園を望む
改装後8階会議室
改装前8階会議室
改装後6階事務所
改装後女子トイレ
エントランス夜景 |
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