平成24年3月に着工し、測量と伐採を開始。5月20日から掘削工を開始した。 両岸の岩盤に付着した土砂や粘土を水で丁寧に清掃し、発注者による岩盤検査を受け、9月27日から拡張レヤー工法でコンクリート打設を開始した。 11月から両岸で、基礎岩盤にセメントミルクを注入して空隙を埋め、基礎岩盤の強度を改良する「グラウチング」を開始。セメントミルクは、現場ヤードで製造している。 |
|
西紀ダム作業所 野中 康平 2012年入社 福岡県出身 |
総合建設会社でもの作りをしたいと思い、多くのダム建設の実績のある前田建設に入社しました。そして最初の現場でダム建設に携わることができ光栄です。現場では主に測量を担当し、先輩からマンツーマンで指導を受けながら1つひとつの仕事を覚えているところです。また、スムーズに施工をするには作業員さんとのコミュニケーションが大切です。私の親と同世代の作業員さんが多いのですが、私と同郷の九州出身者が大勢いるので相通じるところがあり、コミュニケーションが取りやすく助かっています。社会人として初めての仕事ですが、ダム建設にとてもやりがいを感じています。この現場でダム建設の実務を学び、施工スピードをつかめば、きっとこれからどんな現場でも頑張れる。そう思って日々の仕事に取り組んでいます。 |
西紀ダム作業所 倉島 雅弘 2005年入社 東京都出身 |
ダム建設は、沖縄、宮崎に次いで3現場目です。以前のダム現場では5年を要したダム建設の全工程を、ここではわずか2年で施工するので、施工スピードに圧倒されています。私の担当は現場施工管理です。JVで決めた工程を作業員さんに説明し、作業員さんのアイデアを活かして効率よく施工しています。例えば、バケットを受ける台車の位置を200tクレーンと連携しやすい場所に移動して作業性を高めたことは、作業員さんからの提案の1つです。また、ご高齢の方にも現場を見ていただけるよう、展望台をバリアフリーにしました。地元の業者さんにダムの全容をご覧いただいたとき「こんなにできたんですね」と感心していただき、うれしかったです。沖縄の大保脇ダムでは「ロックフィルダムの建設では資材の運搬が命」であることを実感し、この現場では「コンクリートダムでは仮設備が一番大事」で、仮設備ができないとコンクリートを打設できないことを学び、大きな収穫を得ました。今後も全国各地の現場で地元の人々と交流しながら、経験を積もうと思っています。 |
西紀ダム作業所 浅井 秀明 1993年入社 北海道出身 |
トンネル建設7現場のほか内勤も経験しましたが、ダム建設はこの現場が初めてです。ここでは機電、技術提案、発注者対応、広報紙作成などを担当。コンクリートダムの施工では仮設備の整備が重要なので、工事の進捗状況を把握して次の工程に必要な設備を段取しています。技術提案は20項目あり、提案書を基本としつつ、発注者様と話し合いながら施工をしています。例えば冬期のコンクリート打設では、コンクリートの配合、型枠、養生などの対策をご提案しました。また、工事の進捗状況を一般の方々にわかりやすく説明した広報紙も毎月作成し、地元のみなさまに配布しています。発行当初は各自治会での回覧でしたが、ご要望に応じて全戸に配布するようになりました。建設業の魅力は、もの作りそのものだけではありません。発注者様や地元の人々との出会いも魅力の1つです。工期が長ければ人々との交流にも厚みが増します。今回は2年という短い工期だったため、機会があればもっと工期の長い現場でじっくりダム建設を味わいたいと思っています。 |
西紀ダム作業所 八十 明男 1990年入社 兵庫県出身 |
私は入社2年目に九州支店に配属され、関西支店に赴任して2年目です。支店ごとに仕事の仕方も雰囲気も少し異なるのでまるで違う会社のようですが、いろいろな支店を経験することで多くの職員とつながりができるのが楽しみです。事務方は通常いくつかの現場を兼務します。私はこれまでに土木や建築の現場を経験し、現在はこの現場と他の現場の2現場を兼務しています。この現場は工期が短いのですが、工期の長い大規模なダムと内容的には同じなので、奄美大島の大和ダムでの事務経験が活きています。骨材など日々納入される資材の納品伝票の処理などの日常業務は、現場事務所に常駐している女性職員に任せて、私は経理・庶務全般を見ています。事務方の仕事には、現場の安全管理や、地元の人々と交流し工事見学やイベントに参加することなども含まれます。直接施工にかかわるわけではありませんが、技術者をバックアップすることでものづくりに携わることにやりがいを感じています。 |
西紀ダム作業所 杉野 裕之 ダム工事総括管理技術者 |
これまで岐阜県、広島県、岡山県などで、ロックフィルダム1カ所とコンクリートダム5カ所を建設しましたが、乗り込みから現場に入ったのはこの現場が初めてです。ダムはスケールが大きく、完成後も全容を見ることができるのでやりがいを感じます。通常のダム現場は工期が長く、今まで全行程に携わることはできなかったのですが、ここでは監理技術者として工事全般を担当し、2年という短い工期で掘削から竣工後の湛水までを見ることができます。基礎岩盤が想定より早く出て掘削量が減ったことなど、設計変更がいくつかありますが、契約金額が増減されることはありません。したがって、工事金額の変更に応じてダムに付随する周辺整備の工事量を調整するため、発注者様とコミュニケーションをとりながら早期に設計変更を決めるよう心がけています。前田建設では、現場に出て自分の目で確かめながらもの作りをする「現場主義」が受け継がれています。この現場主義を大切にして、後世に残るダムを完成させるために頑張っています。 |
西紀ダム作業所 所長 稲村 聡 |
25カ月の短い工期を守り、 本工事の特徴は、着工からコンクリート打設まで6カ月、コンクリート打設期間が9.5カ月、実質1年7カ月という短い工期です。前田建設がこれまでに100以上のダムを造り、先輩から受け継いだ多くの技術と私の経験を活かして、考え得る最も速いペースでコンクリートを打設しています。 |