住田町役場の新庁舎は、延床面積約2900㎡で2階建て。太い柱と梁で構成した伝統的な純木造建築のイメージを大切にしながら、先端的なデザインのレンズ型トラス梁やラチス耐力壁が印象的な建物だ。建物全体が「木のショールーム」になるよう計画されている。
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着工は2013年8月1日。基礎工事では地盤改良材を土壌に添加することにより、掘削土の排出をせずゼロエミッションを実現。擁壁や側溝などの外構工事を先行した。
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耐震基準値 I 類を確保するため、さまざま工夫をして強度を高めている。その1つが、日本で初めてラチス耐力壁を採用し、9倍の強度を確保したことだ。さらに合板耐力壁に75㎜ピッチで釘を打ち、強度を14倍に。仕上げにより、合板耐力壁は石膏ボードで覆うが、意匠性を活かしたラチス耐力壁から光と風を取り入れる。 |
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地元のお祭り参加 地元住田町の奇祭「水しぎ」に前田JV職員も参加し、仮装コンテストで優勝した。 |
見学会 見学会には地元の方々をはじめ全国から大勢のみなさまが訪れ、大規模木造建築への関心の高まりを実感している。 |
住田町新庁舎作業所 須崎 太朗 木造の大規模な建物を建設することができ、木造建築の素晴らしさを実感しています。 |
住田町新庁舎建設現場 口地英樹 |
これまでに日本国内では、鉄骨造、RC造、SRC造、耐震改修工事、海外では日系企業の生産施設建設に携わってきましたが、木造建築はこの現場が初めてです。施工環境は、従来構造に見られる無機質な感じとは対照的に、木造ならではの木の香りが漂い、粉塵の少ない、人にも環境にも優しい現場となってます。
東日本大震災の復興が進む中、労務、資材が不足した状況で有ることから、綿密な施工計画と工程管理に重きを置き、スムーズに現場作業が進められるよう努めてます。木造は部材接合部分に使用する接合金物のクリアランスがゼロなので、特に柱脚、土台部分のアンカーボルトの精度管理には注意を払うと共に、構造部材の殆どが化粧現しである事から、施工時に傷を付けないよう対策を講じるなどして、木軸品質確保に努めてます。また、仮設資材も不足している為、トラス跳ね出し部分の外部足場を取り止めて、鉄骨工事で使用する吊足場材を流用する事で、大幅な仮設資材の低減を可能としました。
木造は躯体・仕上げ工事での作業工程が多く、多様な工種管理が求められます。特に大工さんは毎日数十人規模で作業しており、中には地元の大工さんも大勢いますが、高齢の方々が多いので、不慣れな大規模現場で匠の技を十分に発揮できるよう、しっかりサポートしていきたいと思ってます。 |
住田町新庁舎作業所 髙山 久 |
弊社は大規模木造建築物を数多く設計・監理してきました。 |