九州大学(伊都)
総合教育研究棟(人文社会科学系)
新営その他工事#1

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50年後も現役の商業施設を目指し、大規模改修工事が碑文谷で進行中。

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■九州大学創立以来の大改革

 時代の変化に応じて自律的に変革し、活力を維持し続ける開かれた大学の構築と、それに相応しい研究拠点の創造をコンセプトとして、2001年に九州大学は「新キャンパス・マスタープラン」を策定。大学創立以来、100年を越える歴史の中でも最大のエポックメイキングとなる「実証キャンパス」の新設を目指しました。
 その集大成となる『イースト地区・総合教育研究棟』の移転計画も、いよいよ佳境を迎えています。
 イースト地区に計画されているその全容は、人文科学研究院・人文科学府・文学部、比較社会文化研究院・地球社会統合科学府、人間環境学研究院・人間環境学府・教育学部・工学部建築学科、・法学研究院・法学府・法学部、経済学研究院・経済学府・経済学部、言語文化研究院、統合新領域学府、中央図書館を統合移転させる最後のビッグプロジェクトです。

 

■部局の垣根を越えて

 イースト地区は、歴史と伝統のある文化系諸分野のみならず、文理融合型の部局を有するユニークなエリアです。この地区の特徴でもある強い西風を考慮に入れ、形状の異なる5つの施設を扇状に配置。館内を長さ約350m・幅10mにも及ぶ自由空間(インナーモール)で接続させつつ、人文社会科学系7部局の融和を図り、なおかつ、独自性を保つというものです。
 建物内は、低層部には共用ゾーンを配置、高層部には部局専用ゾーンを配置。さらに各部局の専門性に配慮するとともに、関連性のある部局を隣接して配置したゾーニングになっています。しかしながら、これらの部局の独自性を確保しつつも、一体感のある立面デザインとしています。
 その結果、部局の垣根を越えた学術の融合というコンセプトは踏襲しつつ、かつて石ケ原古墳があった位置に施設のシンボルとなる展望室(標高70m程度)を設け、それを包み込むように、フォルムの異なる5つの施設に連続性を持たせる大胆な施設設計となりました。
 キャンパスの顔となるこのイースト地区は、大学のセンター地区から伸びるキャンパスモールが新中央図書館へ接続し、その屋上を経て総合教育研究棟へと繋がります。1、2階は連続した吹抜け構造のインナーモールで各部局を空間的に繋げ、プレゼンテーションスペースなどを設けるなど、知的活動を育む軸となります。
 一方で、部局間の垣根をなくす施設構造やエリア計画としつつも、外壁の色を『博多織の五色献上』をベースに趣を変えるなど、5棟(各部局)それぞれの存在感を主張させています

 

■前田の職場環境を評価

 現場の整理整頓や隔週で4週6休制の導入など、これまでの前田建設さんの職場環境の整備は高く評価しています。
 職場環境は現場で働く方々のモチベーションや安全に対する意識が高くなると同時に、施工品質にも直結する重要な要素です。
 竣工までには10カ月ほどの月日が残っていますが、安全に工事を進めていただくことは大前提として、高品質な施設を工期内に納めていただけるよう現場管理をしていただき、伊都キャンパスの新しい船出に結び付けていただきたいと思います。

臥雲 敬昌氏

九州大学
施設部
整備計画課長

篠原 憲二氏

馬躰 純一氏

九州大学
施設部整備計画課
第一計画係 係長

安部 貴之氏

 

 

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