施設整備事業の内導水施設
国庫補助事業
豊平川水道水源水質保全
導水路新設工事その1#1

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50年後も現役の商業施設を目指し、大規模改修工事が碑文谷で進行中。

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■安全・安定給水の強靭化を

札幌市は、人口約195万人を擁する北海道の政治、経済、文化の中心地です。この地の水道水源の98%をまかなっているのが豊平川であり、白川浄水場から市街地へと送水する白川系送水管路がメインの水道システムとして稼働しています。
 現在、札幌市水道局では、この送水システムをさらに強靭化させて、将来にわたり、安全で良質な水の確保と安定した水の供給を維持していくことを目的とした『豊平川水道水源水質保全事業』に取り組んでいます。

 

■事業の背景と2つの課題

 豊平川は、上流が支笏洞爺国立公園や国有林にあたる良好な水源です。ところが、豊平川上流域の一部において、水質悪化の要因となる、ヒ素やホウ酸などを含む自然湧水の河川流入が認められ、水道原水の水質に少なからず影響を及ぼしています。
 この問題の解消のため、全長約10㎞の導水路を新設し、白川浄水場の取水地点より下流に迂回放流し、有害物質を河川水中から取り除き、良質な取水を可能にすることが必要視されています。
 さらには、水源が豊平川に一極集中していることから、万が一の事故や災害発生時に水道原水が汚染されたり、断水を余儀なくされるなどして浄水処理が困難になった場合は、札幌市街地全域に甚大な被害が発生することが懸念されます。
 こうした事態を回避するためには、導水路を利用して、一時的に水の流れを切り替えて上流の良質な河川水を浄水場まで運ばなくては水道水の安定供給は行うことができません。
 この「水質保全」と「水源確保」の課題に応えることがこの事業の目的となります。

 

■工事後半も前田の経験に期待

 今回の工事は、3工区に分けて行われています。前田さんにお願いしている「導水路新設工事その1」は、最下流部の南区白川から南区砥山まで、約5.1㎞の導水管(シールドトンネル)を敷設するほか、工事に必要な資材を発進抗口まで運ぶための『インクライン』などを整備していただくというもの。工期は2014年12月から2019年3月となっています。
 「導水路新設工事その1」の現場は、その規模といい工事の難易度といい、札幌市でも注目の工事です。
 着工以来、前田さんには幾多の提案をいただき順調な進捗を見せ、シールドトンネルも2017年8月時点では、約2.1㎞まできています。その1工事は、隣接工区と山間部の地下30mで地中接合させるため最高レベルの難易度となることは間違いありません。
 ぜひともチーム一丸となって、これからの複雑な地山に対して、豊富な経験に基づいた知識と創意で施工管理・現場管理・安全管理、さらには隣接工区との工程調整を行っていただき、無事故・無災害により無事完成を迎えられることを期待しています。

佐藤 洋一氏

札幌市水道局給水部
工事課長

佐藤 洋一氏

正源 直行氏

札幌市水道局給水部
工事課工事一係
係長

正源 直行氏

鈴木 聖人氏

札幌市水道局給水部
工事課工事一係

鈴木 聖人氏

 

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■豊平川水道水源水質保全事業の概要

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