特集2
CSV経営実践としての
脱請負事業

特集2 CSV経営実践としての脱請負事業

社会課題と背景

地域が抱える課題の現状

 日本の少子高齢化とそれに伴う人口減少は、社会にさまざまな影響を及ぼしています。特に生産年齢人口(15〜64歳の人口)の減少による税収減と、高齢者医療や児童福祉分野において増え続ける社会保障関係費は、国や地方自治体の財政を圧迫する大きな要因です。

 一方で高度経済成長期に整備された膨大な数のインフラが一斉に更新期を迎え、今後の維持・更新費の急激な増加が見込まれます。さらにインフラの老朽化が進めば、現在のサービスレベルの維持すらも困難となり、人々の生活に支障が生じることも大いに考えられます。

 このように日本が抱えているのは、国・地方自治体の財政悪化とインフラの老朽化によって増大する維持・更新費の確保という課題です。加えて、自治体の技術職員不足も深刻さを増しています。

 これまで通りのしくみで現在のような質の高いインフラサービスを保つことは難しく、上で述べた課題に対し、施設の長寿命化や集約・複合化、PPP/PFI、最新技術の導入による高効率化などを推し進めるなど、抜本的な手法による課題解決が求められています。

日本の一般会計歳出内訳と生産年齢・高齢者人口割合の推移
インフラ・公共建築物における更新管理高度化の効果

「脱請負」で広げる社会課題への対応力

 MAEDAは創業以来、山岳土木から、都市土木、建築、海外、リテール分野へと事業を拡大してきました。一方で土木、建築のような「請負」を主体とする経営は、幾度となく景気の波に翻弄され、厳しい経験を繰り返してきました。

 現在の日本は社会・経済の構造が日々変化する、不確実で先行き不透明な時代に突入しています。このような状況のなかで私たちが持続的に発展し、社会に対して価値を還元し続けるためには「請負」での利益確保に加え、安定した収益基盤の構築が必要です。私たちは、これまで培ってきた「請負」のエンジニアリング力と「脱請負」の新たな建設サービスを融合し、「総合インフラサービス企業」として新たなビジネスモデルの実現をめざしています。

 「総合インフラサービス企業」がめざす姿は、強みであるインフラの建設を核として事業創出、運営管理など上下流へ事業領域を拡大、強化し、事業者の目線を持ってあらゆるフェーズで事業に関与していくことです。この取り組みのなかで、私たちは主体的に世の中と向き合い、社会が抱える課題を正しく把握し、新たな価値を提案および創造していきます。

 MAEDAは「脱請負」としてコンセッションや再生可能エネルギー事業など数々の実績を積み重ねてきました。さらに、当社はより多くのインフラ、公共施設に関わる課題を解決するための「地域戦略」として、地域に根差した各事業所が起点となり、その地域固有の課題や将来のビジョンを把握しながら取り組みを推進しています。強みであるエンジニアリング力と地域社会とのつながりを築き上げる力を活かし、地域課題の解決に挑戦しています。

 特集2-1では、当社が新たに手がける愛知県新体育館でのアリーナ事業をご紹介します。拡大するスポーツ・エンターテインメント市場に挑戦すべく、「BT+コンセッション方式」という新たなスキームを活用して質の高いサービスを提供し、地域の発展・価値向上へ貢献する取り組みを進めています。

 特集2-2では、「地域戦略」として、官民連携による包括管理業務委託事業をご紹介いたします。これは、地域のインフラ維持管理における課題解決手法の一つであり、この手法を採用する自治体は近年増加傾向にあります。

 事業を通じて、課題解決のための多様なノウハウを蓄積しながら、さらに幅広い分野における課題解決、地域の活性化に貢献したいと考えています。

 MAEDAは今後も地域課題解決の取り組みを推進し、公共・地域・民間が連携し、Win-Win-Winの関係を構築するCSV経営を実践していきます。