前田建設ファンタジー営業部

ファンタジー営業部 未来の百貨店 ファンタジー営業部  未来の百貨店

モビリティ、アパレル、そして建設の異業種コラボ「未来の百貨店」。
そんな夢の企画を実現させた各社の担当者に、製作過程や参加の意義などについてお聞きました。
果たして「未来の百貨店」とは?真剣な言葉の数々にその理想像が見えてきます。

未来の百貨店メインイメージ

フィアロコーポレーション作品「SHOW CUBE」詳細はこちら

企画の概要

50年後の百貨店の買い物は、どのように進化しているのでしょう?
柔軟な企画力に定評のある「前田建設ファンタジー営業部」プロデュースにより、複数の企業から「未来の百貨店」をテーマに、夢のある提案をいただきました。
本プロジェクトは、未来の百貨店のあるべき姿を、百貨店自身でなく、異業種クリエイターが創造するユニークな試みであり、その意味では近年話題になっているオープンイノベーションの適用事例と言えるかもしれません。
未来の百貨店を自由に創造した「わくわく」「驚き」の買い物シーンとそこに至るクリエイターの思いをお楽しみください。

  • 株式会社フィアロコーポレーション
  • オンワード商事株式会社
  • 前田建設工業株式会社

FILE.2 オンワード商事株式会社

  • 商品本部 ユニフォーム商品部 企画二課 課長 大竹博文
  • 商品部 商品第一部 企画二課 デザイナー 藤井綾子

ユニフォーム事業の国内最大手 オンワード商事株式会社 商品本部 ユニフォーム商品部 企画二課 課長
大竹博文

大竹:従来はアパレルを中心としたオンワード樫山を主体に企業グループで事業を行ってきましたが、3年前にオンワードホールディングスとして会社組織が変わり、オンワード商事はユニフォームやセールスプロモーション商品などのノベリティグッズを主要事業として発足しました。オンワード樫山時代からオンワード商事の母体はあり、日本で最も古く約50年前からユニフォームを扱っています。グループとして「生活文化企業」という会社理念を掲げ、ファッションを文化として世に送り出し、豊かな人間生活作りに貢献したいというのが我々の信念です。
大竹博文1

その中でユニフォームも社会に貢献できるひとつのツールと考えていて、現在は前田建設の事務服など約1800社のユニフォームを受注。最近は国内だけでなく、海外に移転した工場からオーダーをいただくこともあります。またセールスプロモーション商品は、例えば某飲料会社の販促用ブルゾンのようなプレゼント商品や携帯電話メーカーが配っている景品などを、広告代理店さんと一緒に各種企業とタイアップしながら販促グッズとして提供しています。さらにファッション事業やアーツ事業なども展開。様々なことにトライアルできる比較的自由な会社なので、繊維関係の得意分野を生かし、ファッション系を中心に今後も果敢に事業を展開していきたいですね。

難解だった「未来の百貨店」のコンセプト

大竹:ファンタジー営業部第4弾の「国際ロボット救助隊」に当時の上司が関わっているのを見ていましたが、最初にファンタジー営業部のことを聞いたときは、「うちのお客さんである前田建設がこんなことをやっているのか」とかなり驚きましたね。そして最初に「未来の百貨店」のイメージを聞いたときは、申し訳ありませんがあまり理解できませんでした。前田建設からいただいた“栽培や生産といった商品の原点を透明な箱の中で見ることができ、食物や素材を収穫できる”という「百貨繚乱」のコンセプト、また“水辺の回遊性を利用した百貨店”という「ウォーター・ラビリンス」のコンセプトについて社内で結構話し合いをしたんですが……。

藤井:想像することが難しい非現実的な部分がとても多かったので、かなり考えてしまいましたね。

大竹博文2

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「未来の百貨店」コンセプトに合う店員ユニフォームって? オンワード商事株式会社 商品部 商品第一部 企画二課 デザイナー 藤井綾子

襟はジャケットのようですがボタンではなく帯で留め、男性も着物のイメージでスカートを穿いている。これには汚れ防止という機能的な側面もあります。同じように稲穂刈りの女性が穿いているシースルーのスカートも汚れ防止、また汚れてもすぐにそれを落とせる素材をイメージしました。ブーツを採用しているのも同じ理由です。また正装として百貨店には欠かせず、お客様と差別するという意味でも必要な帽子を取り入れて、たどり着いたのがこのデサインです。

大竹:「百貨繚乱」の中には色々な部屋があり、ある部屋では桜を見ながら花見ができ、別の部屋では木からリンゴを収穫して食べられるなど、それぞれにリアリティが感じられるという説明を前田建設から聞いていました。ではそのリアリティはどういった部分から最も感じられるのか。それは本物の香りや本物の味といった“体験“だろうと。時代が変わっていく中で、今後どんな店舗を作ってどうやってお客様に足を運んでもらうかを考えると、リアリティや体験が売場にないと人間は行動を起こさないしモノを買わないのではないかと感じていたんです。

足元のフィンは水に浸かると泳ぎやすい形になり、水から上がると靴にトランスフォームします。中央の女性が着ている素材は、水に浸かると足元のフリルが人魚のように変形して泳げる仕組みになっています。魚をイメージしたこのラインは、現実的に考えると動きづらくなってしまいますが、将来的にはストレッチが効く素材や動きを妨げない素材が誕生していると考えてデサインしました。また彼女はヘルスチェック担当でもあるので、ナース服のイメージも持たせています。そしてゴンドラに乗っているのは案内係です。インカムでイルカを呼び寄せて、お客様を楽しませながら店内を案内するというイメージ。ボトムのラインは足の筋肉に沿っていて、動きに合わせて筋力をサポートし、より速く移動できるようになっています。

大竹:これに関しては、スポーツ系の衣料などですでに商品として登場していますね。カッティングと素材感を変えることで、動きやすくなったりキレイなフォームになるという効果がある。それが未来ではより身近なものになっているのではないでしょうか。またそれぞれの店員が身につけている服は水から上がるとすぐに乾く超速乾の生地を使っているため、そのまま店内へ移動しても店舗を濡らさずに快適に過ごせる。着替えずにそのままお客様を目的の場所まで導くことができます。紡績メーカーさんの開発もその頃には終わっているでしょう(笑)。「ウォーター・ラビリンス」に関しては、スポーツジム、健康相談、ヘルスチェック、治療行為といった生活や健康に関するすべてのサポートを百貨店で行っていて、その場で関係商品を購入でき、そして健康的な食事もできる。そんな健康志向の方向性が、こういった形でつながっていくのかなと思います。

大竹:百貨店さんには将来的に、今回提案した「ウォーター・ラビリンス」に負けないほど大きく変わっていてほしいですね。今でもそれぞれの紙袋にブランド性はあるかもしれませんが、今の若者にとって魅力的な場所かというと、少しずつ対応できなくなっているのではないでしょうか。今後はとても巨大な、多くの集客を誇るリゾート施設のようになっていかないと存在意義が問われてしまうと思います。新しいアイデアをどんどん出していかないといけないですね。
大竹博文3

可能性を感じた異業種コラボレーション

藤井:今回の作業を終えて、やり切ったととても強く感じています。自分自身のことでも未来についてあまり想像できないのに、百貨店の未来を発想することはさらに難しかったですね。しかし皆さんから助けていただき、またモノが出来ていく仕組みを知ることができて、とても勉強になりました。そして出来上がったデザインを披露したときに、社内でも社外でも評価していただけるとやはりうれしいですね。頑張って良かったなと感じられました。

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作品詳細

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■オンワード商事株式会社 
http://www.onward-shoji.co.jp/

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