北海道新幹線飯田高架橋工事#1

TOP Report#1 Report#2 Construction REPORT 42

北海道新幹線の建設が北海道方・本州方の双方で進んでいる。この飯田高架橋工区は、北海道方の最前線だ。

 独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構の山崎貴之氏は、北海道新幹線の建設について次のように語った。
 「北海道新幹線は、新青森駅を起点とし、新函館(仮称)駅を経由して札幌駅に至る約360㎞の路線です。1973年に閣議決定された全国新幹線鉄道整備法に含まれており、以来約32年を経過した2005年に新青森―新函館(仮称)間の建設が認可されました。
 開業後、札幌―函館間は現在の3時間から73分に、札幌―東京間は約9時間から約5時間に、札幌―青森間は5時間14分から2時間7分に、函館―東京間は約6時間から4時間19分というように、大幅に所要時間が短縮されます。
 現在工事を進めているのは新青森から新函館(仮称)までの約149㎞。そのうち、青函トンネルを含めた青森県中小国―北海道木古内間津軽海峡線約82㎞は、新幹線と在来線が共用する区間で、青函トンネル完成時点で新幹線規格になっていたので、土木工事はなく、軌道の3線化、架線の強化・改良などをJR北海道が施工中。その区間を挟んで、本州方約29㎞、北海道方約38㎞の土木工事を進めています。
 新函館(仮称)までの完成は2015年度末。完成までには設備工事に2年、試運転に1年、開業に向けての監査・検査に半年ほど見込まれています。試運転に1年を要するのは、厳しい冬の営業に備えるためだけではなく、青函トンネルでは在来線の合間を縫って試運転を実施しなければならないからです」。
 前田JVの施工については「飯田高架橋工区は総合評価方式で入札を行い、価格・技術の両面を評価して、2009年に前田JVに発注。その際前田JVから、工期短縮のために工事用道路とクレーン専用道路を建設することが提案されました。
 こちらからの要望としては、田畑や住宅地の中で施工するため、ダンプトラックの走行や杭打ちの際の濁水処理などに配慮するようお願いしました。
 この工区は発注が早かったこともあり、北海道方の高架橋工区としては最も早く、厳しい冬を目前に控えた2012年12月末に竣工する予定です。これは予定より早いのですが、全体的に工程が厳しい中でしっかりと工程管理を行い、安全に留意して工事を進めた努力の賜物でしょう。これまでと同様に安全面に配慮して、無事故で竣工を迎えてほしいと思います。
 また、この工区は見学者が多く、マスコミの取材も多数受けており、北海道新幹線のPRに一役買ってもらっています。
 これから新函館(仮称)―札幌間のトンネル工事が始まります。前田建設さんは独自のトンネル施工技術をお持ちなので、トンネル施工でも、ともに研究して技術力の向上を目指し、工期短縮・コストダウンにつながればと思います」と締めくくった。

独立行政法人
鉄道建設・運輸施設整備支援機構
鉄道建設本部
北海道新幹線建設局
北斗鉄道建設所
所長

山崎 貴之氏

 

 

 

 

 

▼次のページへ