No.66

都市計画道路上郷公田線(公田地区)道路建設工事
(仮称)桂町トンネル#1

都市計画道路上郷公田線(公田地区)道路建設工事(仮称)桂町トンネル

ネットワークの要となるトンネルが
横浜市のみならず首都圏の未来をつなぎます

横浜の発展につながる道路

 横浜市が栄区に整備中の上郷公田線という総延長3.2kmの都市計画道路。そこに新設されるのが、延長331mの桂町トンネル(仮称)です。現在、横浜環状南線という道路を建設中ですが、完成すれば、横浜港と東名高速道路がつながることになります。上郷公田線は、この南線の関連街路です。このエリアの自動車交通を円滑にし、新設されるインターチェンジで横浜環状南線に連絡します。
 港と高速をつなぐバイパスは、現状では保土ヶ谷パイパスのみですが、「日本で一番渋滞する道路」と言われるほど混雑した状況です。このままでは横浜の港町としての発展が望めないという先人たちの懸念もあり、高速とつながる道路の建設は横浜市にとって非常に重要です。加えて圏央道の一部区間にもなっており、首都圏のネットワーク構築にも必要とされている区間の工事となっています。

住宅密集地のトンネル工事

 上郷公田線の計画決定は平成7年ですが、住宅地におけるトンネル工事ということで、計画当初から根強い反対運動がありました。われわれは地元との合意形成を図りながら計画を進めることを重視し、時間をかけ、町内会単位での説明会を数え切れないほど実施して理解を得てきました。
 しかし最近では、工法は異なるもののトンネルに関連した陥没事故が相次ぎ、トンネル工事に対する逆風が吹いています。
 このような経緯もあり、住民の方々にとって、非常に関心の高い工事となっています。周辺に影響を与えることなく安全に掘り切りたいという思いが、とても強い現場です。そのためにはまず、地元の方々に対して、丁寧に情報提供をしていくということが何よりも大切だと考えています。

住民の理解が深まる対応

 情報発信については、前田建設さんからICTを駆使したご提案をいただきました。
 CIMによる計測データをまとめ、3Dモデルを使って工事状況を可視化してチラシで配っていただいたり、地盤の沈下量を常時測定してデータを公開していただくなど、毎日進捗が見て取れることで住民の理解を深めてもらっています。
 また、現場に入って感心するのは、皆さんが生き生きと明るく仕事されていることです。チームがよくまとまっている印象を受けます。そして現場がきれいで、ここは本当にトンネル工事の現場なのか、と驚くほどです。そのような現場を見るだけでも、きちんと施工をしていただいているということが伝わってきます。地元の方々を案内してもらうこともあるのですが、整理された現場で、発注者側としても安心感があります。
 桂町トンネルは横浜市道路局が発注するNATM方式のトンネルとしては16年ぶりの工事です。この現場の施工を通して、ひとりでも多くの市の職員にノウハウや技術の継承をしていただければという点でも期待しています。

※CIM : Construction Information Modeling

横浜市道路局 建設部長 田中 洋介氏

横浜市道路局
建設部長

田中 洋介氏

トンネル地図
完成イメージ
施工方面上空

施工方面上空

住民現場説明会の様子

住民現場説明会の様子