TPMs×BIM

施工BIM

施工BIMとは施工段階のBIM(Building Informarion Modeling)を指します。

いままでのBIMは、「設計、施工、維持管理まで一貫して使わないと効果がでない」と言われてきました。【TPMs】の施工BIMでは、施工段階からBIMを始めても効果があると考えています。

施工段階では、設計図ではなく施工図や製作図に最新情報が盛り込まれます。

そのため、施工図などの調整業務に施工BIMを活用し、作業所のBIM担当者と協力会社のBIM窓口が協創することで、お互いに効果を出せます。さらに施工BIMを安全や品質の管理にも活用し、作業所全体での逸失利益を低減させることができます。また、設計BIMとの連携により、フロントローディングによる後工程の効率化の効果が出てきています。

全国の作業所への施工BIMの適用拡大に向けて、社内での周知、教育活動も進めており、今後作業所で当たり前に使える環境の構築を進めています。

3つの取組み

前⽥建設⼯業が施工BIMに取組む目的は主に以下の3項目です。

①【図面】施工図・製作図の調整業務の効率化
<協力会社との効率化>
②【品質】品質不具合の防止
<作業所の検討の効率化>
③【安全】作業安全性の向上
<協力会社との安全意識、作業性検討の効率化>

①【図面】施工図・製作図の調整業務の効率化

施工BIMでは協力会社が製作図レベルのBIMモデルを作成します。それらを統合したBIMモデルを用いて、関係者間でBIMによる調整会議を開催します。会議で干渉チェックや納まりなどを確認し、関係者間の合意形成(『BIMモデル合意』)をします。工事時の手直しや手戻りの減少による逸失利益の低減、検討時間の短縮(20-30%低減)、2次元検討図の枚数低減、図面の早期承認による余裕ある工場製作の段取り・工事準備の効果があります。

また、設計者・建築主との総合図・プロット図の調整にもBIMを活用しています。BIMモデルで最終の空間を確認することで、満足度の高い、高品質な建物の施工が容易になります。

②【品質】品質不具合の防止

複雑な納まりなどを部分的にBIMで検討する取り組みです。

鉄筋の納まりや搬出土量の数量検討、スロープの鉄骨レベルの検討など、部分的に検討をするだけでも、十分な検討時間の短縮、品質の向上の効果があります。

また、製造とのBIM連携ができる専門工事会社や自動掘削ができる重機とのBIM連携などにより、協力会社や職人の作業の効率化も進んでおります。

さらに、検討をしたBIMモデルをタブレット端末で現場内に持ち込むことで、職人さんとの作業手順の確認にも活用でき、職人とのコミュニケーションの効率化や品質の向上の効果があります。

③【安全】作業安全性の向上

『BIMモデル合意』の取り組みで検討したBIMモデルに、足場等の仮設材、重機などを加えて施工手順を「見える化」し、安全性や作業性の検討を効率化する取組みです。

施工段階のBIMモデルは現実にこれから施工する完成形に近い精度で作成されているので、施工手順や安全設備の検討が効率化されます。精度の高い施工手順を職員、職長や作業員と共有することで、職人が作業の開始前に出来形をイメージでき、安全作業への啓蒙にもつながります。

また、リース会社との足場の検討や数量検討などの連携により、検討や発注作業の効率化も進んでいます。