INTERVIEW「脱請負」を目指す
コンセッション事業が
仙台国際空港を
活性化する

脱請負 / 2008年入社

宮越 敦史

学生時代に中越地震で被災した仮設住宅を調査していた際、被災した街がダイナミックに復旧していく様子に心を打たれ、それを担うゼネコンに興味を持つ。前田建設は若いうちから様々な業務にチャレンジする機会があり、成長できる環境と感じて入社を決めた。

国内初のコンセッション事業に参画。
仙台国際空港の将来を見据えた運営に取り組む。

現在の仕事内容を教えてください。

前田建設は、新たなビジネスモデルを模索しながら「脱請負」へチャレンジすることを打ち出しています。「脱請負」の事業形態とは、前田建設自体が開発や運営のリスクを取る事業主体になるということ。その一つが、「再生可能エネルギー事業」であり、もう一つが私が関わっている「コンセッション事業」です。「コンセッション」とは、利用料金の徴収を行う公共施設等について、施設の所有権を公共主体に残したまま、経営を民間事業者が行うスキームを指します。私が担当するコンセッションの対象が仙台国際空港であり、前田建設のみならず国内第一号のコンセッション事業。私はコンソーシアム(コンセッションは複数の企業で構成され、仙台国際空港は大手電鉄グループが代表企業)で結成された運営会社、仙台国際空港(株)に出向。主に、中長期的な仙台空港の将来像を見据えた空港機能拡張計画の検討や設備投資の実行、空港機能拡張に関する規制緩和の検討、協議等を行っています。

仙台国際空港を魅力的な空港にするために。搭乗ゲート拡大、東南アジアの国際線を拡充。

仙台国際空港のプロジェクトでは、具体的にどのようなことをしていますか。

仙台国際空港は、我々民間事業会社が2016年7月に事業を開始、以後30年間にわたって運営しています。目指すのは、事業の成長発展であり、そのために求められるのは仙台国際空港が魅力的な空港として、国内外のお客様に愛される空港に進化すること。私のミッションはその実現のために、中長期的事業戦略を企画立案し実行することにほかなりません。仙台国際空港は東日本大震災以降、利用客が激減、その後回復しましたが風評被害等で乗り入れ路線も減少傾向にありました。また、過去の空のトレンドはジャンボ航空機のような大型機主体での運航が主流と考えられていましたが、特に地方空港において、中型航空機やリージョナルジェットのような小型機が主流になりつつあり、必然的に発着回数が多くなります。それを見据えて、特にその状況が顕著である国内線において、搭乗施設を整備し、ゲートを増やして増便に向けての空港キャパシティを増強しました。さらに、路線を増やすことも大きなテーマとして取り組んでいます。路線が増えれば、それと並行して利用者が増えるのが空港。国内線に加えて国際線においてはアジア圏内の都市間を中心に路線を拡充しています。

空港内商業施設の大規模リニューアルの推進。
仙台国際空港利用者の飛躍的な拡大を目指す。

今後、どのような取り組みをしていきたいですか。

私たちの取り組みにおいて、直近の最も大きなイベントとなるのが、空港内商業施設の大規模リニューアルです。魅力的なテナント誘致、サービスの質向上を進め、ターミナルビルに活気ある華やかさを演出したいと考えています。リニューアルコンセプトは空港に到着してから搭乗までストレスなく円滑に利用できるFast Travelの実現であり、素晴らしい空港体験の提供です。さらに、通常の空港とは異なり、既存の価値観を打破して、保安検査場を通過したエリアに商業施設を設けることを計画しています。こうした企画立案のために、世界中の空港(民間が運営している空港)を視察しました。民間活力の導入で、以前と比べて爆発的に利用客が増えた空港もあります。現在、仙台国際空港の年間利用者は約361万人(2018年度)。将来の飛躍的な旅客数拡大に向けて、更なる旅客受入体制増強、サービス向上を目指す今回のリニューアル計画。仙台国際空港が大きく変わり、本格的な進化に向けて国内外から注目されることを確信しています。

多くのステークホルダーを巻き込んでいく、
プロジェクトの最適解を求めて自分の核を持つ。

仕事を通して、得られるやりがいは何ですか。

現在出向している仙台国際空港(株)では、コンソーシアムを構成する各社の出向社員やプロパー社員、中途入社社員など様々な背景を持った人たちと業務を推進しています。異なる背景を持つ人たちと協働することは刺激的であり、様々な知見を活かして仕事を進めるプロセスは何事にも代え難いくらい楽しいと感じています。一方で、出向会社社員のみならず、テナントや航空会社など、多くのステークホルダーがおり、それらを巻き込んで進めるには、プロジェクトの最適解を自問自答して考え抜いて、核を持つことが重要と考えています。そこが難しくもあり、やりがいを感じるところです。私は元々建築が専門であり、入社後、意匠設計の仕事に従事していました。振り返れば、激変ともいえる環境に今置かれていますが、当社の「脱請負」というチャレンジのフロントにいること、新しいことに自分の力をフルに発揮して取り組めることに、仕事の喜びを実感しています。

ある1日のスケジュールOneday Schedule

8:30

出社。

メールチェック。

9:00

社内ミーティング。

リニューアル案件協議。

11:00

午後の設計事務所との打ち合わせ準備。

12:00

事務所近くでランチ。

13:00

設計事務所、ゼネコン(前田建設)との打ち合わせ。

15:00

社内で商業施設に関する企画ミーティング。

17:00

デスクで事業戦略の企画検討、調整。

18:00

翌日の東京出張の準備。

18:30

退社。

今後のキャリアについてCareer

コンセッション事業で身につけたスキルを、多彩な分野に広げる

今後もコンセッション事業を推進していく中で、案件獲得および事業運営にも携わっていきたいと考えています。仙台国際空港の運営を通じて、事業マネジメントや事業会社の経営など、様々な知見を吸収することができました。この経験を活かして、より深くコンセッション事業に関わり、多彩な分野でスキルを発揮していきたいと思っています。

※所属およびインタビュー内容は、取材当時のものです。

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