飯田橋駅西口地区
第一種市街地再開発事業
業務・商業棟および住宅棟新築工事#6

TOP Report#1 Report#2 Report#3 Report#4 Report#5 Report#6 Construction REPORT 45

地域とともに

地元企業として地域と一体のまちづくり
飯田橋の未来に繋げよう

 前田建設は昭和初期からこの地で事業を展開してきました。先輩方が築いてきた地元との信頼関係の下、本工事は地域に快く受け入れていただいています。
 現場の職員は、本社が戻ってくるまでの間、先輩方から預かった"信頼のタスキ"を失わぬよう、地域の皆さまとのコミュニケーションをとても大切にしています。特に地元の祭礼には毎年必ず参加しており、焼そば、焼き鳥、かき氷など屋台のお手伝いや、神輿を担ぎながら地元の皆様と接することは、現場の楽しみなイベントの一つになっています。
 また再開発組合は、来年のまち開きに向け、今年の3月にはお花見イベント、9月には防災イベントを開催しました。現場は工事敷地内で安全にイベントを開催するための会場づくりと現場見学ツアー実施に協力しました。2度のイベントは大盛況で、たくさんの方々に楽しんでいただきました。

プロジェクトの成功とともに
前田建設の未来に向けて挑戦できる人材を育成

  この本社跡地の再開発では施工会社としての前田建設だけではなく、地権者、設計者その他様々な顔の前田建設が存在しています。プロジェクトの成功に向けて、多くの社員が様々な角度から事業の先導役の一端を担うという、本当に素晴らしい経験をさせていただいていると感じています。
 このような大きな仕事が動くときには、必ずそこにたくさんのチャンスが生まれます。苦しいこともたくさんありますが、決してマイナス思考にならず、しぶとくチャンスに転換していく前向きな思考力と行動力を身に着け、前田建設の未来に向けて挑戦できる人材が一人でも多く育ってくれることを期待しています。
 おかげさまで工事は順調に進んでおり、平成25年10月時点で各棟の出来高は約8割に達しました。来年6月には、ご関係の方々や地域の皆様に喜んでいただける最高の建物をお引き渡ししたいと考えています。
 そして来年の夏には前田建設の本社がこの地に戻ってきます。自らの手で創り上げた新たなまちで、新たな前田建設の歴史がスタートします。

飯田橋再開発プロジェクトマネージャー
前田建設工業 執行役員

川島 要一

飯田橋再開発プロジェクトマネージャー
前田建設工業 執行役員

川島 要一

 

 

<業務・商業棟>
飯田橋再開発作業所
(業務・商業棟工事)
工事課長代理

是川 敏輝

1997年入社 兵庫県出身

入社時から東京勤務でマンションや官庁などを建設。オフィスビルの建設はここが5棟目で最大規模です。当再開発準備室を経て、他のオフィスビルの工務を担当し、この現場に戻って業務・商業棟の躯体外装を担当しています。施工の先頭を切って鉄骨で建物を形づくる仕事は、責任重大です。現場ヤードが狭く交通量の多い外濠公園通りに面しているため資材の搬入が難しいので、タワークレーン2基で効率よく安全に資材を揚重できるよう、綿密な計画を立てました。建物の高さが約150mあるので、揚重は風との闘いです。強風で資材が回転して建物にぶつかることのないよう、細心の注意を払いました。タイで製造した20mクラスのロング梁は3分割して搬入し、現場でジョイントしたので手間がかかりました。また4階までの低層部は階高が高いため、鋼板耐震壁で強度を確保しています。躯体に打設した80ニュートンのCFTコンクリートの強度は解体が困難なので、建物が永久に残ることを想定し、大地震後に部材の交換が可能な制震ブレースを採用しています。私の大学時代は建物の強度確保は50年でも難しいと言われていましたが、この建物は100年以上の強度をもっています。建設業は「経験産業」ですから、私のS造オフィスビル建設の経験を今後の施行計画に活かし、スムーズに施工するためのノウハウを伝えていきたいと思います。

<業務・商業棟>
飯田橋再開発作業所
(業務・商業棟工事)
事務課長

磯目 浩二

1994年入社 福島県出身

私は法学部出身ですが、ものづくりの会社に勤めたいと思い入社しました。九州支店の現場事務、本店人事部、建築営業部、東京建築支店を経て、2012年7月からこの現場に常駐しています。JV工事の現場事務を担当するのは九州支店以来です。この現場の事務は9人体制で、JVの事務所長、住宅棟の事務所長、業務・商業棟の事務所長がいます。ここには安全担当が常駐し、外注発注担当の工務課があるので、現場事務は支店の総務・経理事務に特化した仕事が中心で、安全や工務については内容を把握しながらサポートしています。営業時代の経験を活かして、お客様と現場のパイプ役になることも私の仕事です。また、この現場は多くの職員がいるので、本店人事部時代につながりのあった職員や当時採用した職員と同じ現場で働くことができるのも、喜びの一つになっています。2013年9月上旬の上棟式でイベントが上手くいったときは、メンバーとがっちり握手をして労をねぎらいました。注目されている現場なので、大学や設計事務所、小中学生などの見学会や就職活動のOB訪問、当社の内定者見学もあるので、受け入れ体制を整えています。事務職員は直接ものづくりをするわけではありませんが、技術者と一緒につくっているという気持ちで日々の仕事に取り組んでいます。建設業は単品生産のダイナミックな仕事ですから、おもしろいですよ。

<住宅棟>
飯田橋再開発作業所
(住宅棟工事)
工事主任

西郷 陽一

2006年度入社 福岡出身

九州支店と関西支店を経て、マンションの内装リニューアル工事のあと、新築の大きな現場を経験したいと申し出て、ここに配属されました。私の担当は住宅棟の躯体と共用部の施工です。PCaは九州でも経験しましたが、この現場の型枠大工を全く使わないフルPCaには驚きました。私は「施工手順、精度管理、安全管理」の3つが施工のポイントだと考え、職長に工期厳守と安全管理を推進してもらい、発注者様や協力会社との約束を守るために創意工夫をしています。躯体工事においては、当初計画されていた施工サイクルを見直し、先行揚重や床板の順番の変更などで労務を減らして施工時間の短縮を図り、10階以上の施工スピードをアップすることができました。また、高所作業に慣れてくると安全管理がより重要になるので、精度管理と施工スピードとのバランスをとって施工しました。協力会社の規模が大きくレベルも高いので、職長会が積極的に活動し、自ら目標を立てて施工しています。「熱中症0宣言」で成果を上げたことは、その取り組みの1つです。共用部はデザイナーのこだわりによりホテルのようなデザインとなっており、防音設備のあるスタジオも完備しているので、施工が楽しみです。この現場での経験を活かして、次は自分で計画してPCaの建物を施工することが目標です。そして、S造のオフィスなどいろいろな建物を施工したいと思っています。

<住宅棟工事>
飯田橋再開発作業所
(住宅棟)
設備課長

寺地 真一

1995年入社 東京都出身

これまで東京支店、光が丘本店の設計業務、飯田橋本店建築設計グループでの帳票関係や設備グループの全国の現場の設計支援や教育を経験。横浜支店設備センターで設備の施工を6現場手がけ、支店から現場に出向いていましたが、ここでは現場に常駐して住宅棟の設備施工管理を行っています。505戸という大規模な集合住宅で設備にPCaを採用。給水は3系統に分けています。空調は、全住戸に冷暖房の天井カセットエアコンと24時間換気するための全熱交換機、プラズマクラスターのイオン発生器を標準装備。住宅設備機器はハイブレード仕様で、地権者住戸と販売住戸に分かれており、さらにそれぞれに複数の仕様があるのでとても複雑です。災害対策の設備としては、非常用発電機をはじめ、主にエレベーターに使用する太陽光パネル発電設備、水を備蓄する貯水槽、排水ポンプが壊れてもトイレを数時間使用できる設備も完備しています。協力会社が多いので、統一の勉強会や周知会を開いて施工のきまりやポイントを示したり、現場に注意点を掲示したりして、品質とコストのレベルを合わせています。設備工事は建築の後追いをするだけでは不十分です。建築職員の理解を得て、共用部の防災センターのように設備の仕事が多い部分を先に仕上げるよう計画しています。こうしてお客様の期待にお応えするよう努めています。

■前のページへ