INTERVIEWICTによる生産性
向上で
働き方を
抜本的に変える

土木技術 / 2014年入社

平川 彩織

就活の際、前田建設の土木現場で働く女性施工管理技術者に出会い、現場を的確に仕切り、颯爽と働く姿が憧れに。何より楽しそうに働いている姿が印象に残り、彼女のように「土木業界のものづくりに携わりたい」と思い、前田建設への入社を決めた。

タブレット端末による現場管理を推進。
情報共有、ペーパーレス化、効率化を実現する。

現在の仕事内容を教えてください。

私は現在、建設現場の生産性向上を目的としたICT推進支援を担当。建設業界のデジタル化の流れは世界的な潮流であり、国土交通省も生産性の向上や魅力ある建設現場を目指す新たな取り組み「i-Construction」を推進しています。これはICTやAI、IoT、ロボットなどを利活用して現場の効率化や省人化を進めることで、「働き方改革」にもつなげていこうというプロジェクトです。私の取り組みもその延長線上にあります。その一つがタブレット端末を施工管理で利活用するというもの。かつて、施工管理者は「野帳」と呼ばれる紙のメモ帳で現場を管理していました。測量値、資材発注、会議録、現場写真等々、これを「電子野帳」に移行し、タブレット端末で管理する方法に切り替えています。それらとSNSをリンクさせれば情報共有も可能になり、ペーパーレス化も実現。事務所での書類の作成作業等も大幅に削減できます。2年前から導入を図り、現在は約80%まで利用率が拡大しています。

建設現場に出向いて、施工管理課題を把握する。建設現場の進化を促すフロントにいるやりがい。

仕事を通してやりがいは何ですか。

ICTは生産性向上のみならず、安全性確保にも有効なツールとなります。建設現場には様々な重機が投入され、それらによる事故・災害も少なくありません。重機にセンサを実装させ、その挙動に異常が見られた場合、作業を中断して未然に事故を防止するなど、IoTを活用する検討も進めています。また掘削現場なども常に危険と隣り合わせであり、GPSやICTを駆使した掘削の自動制御の実現も検討課題の一つ。私自身は、現場に出向いて施工管理課題をヒアリングし、課題解決に向けてICTを導入。その後、現地やWEB形式でのコンサルティングを実施し、コンサルティングによって得られたフィードバックをもとに他現場へ反映することで、全社的な展開を進めていくことをミッションとしています。ICT推進による施工管理業務の提案や検討は、建設業の働き方を抜本的に見直すチャンスであり、建設現場の進化を促す、そのフロントにいることにやりがいを感じています。

入社1年目、コンクリートの配合最適化に取り組む。
土木技術者の原点となった、ものづくりの現場。

これまでで印象に残った出来事を教えてください。

私が入社後に初めて取り組んだのは、東北エリアで進められていた、高速道路のトンネル覆工コンクリート配合検討業務でした。大学時代の専攻がコンクリートだったこともあり、その知見を活かしたいと思っていましたが、実際の現場では困難な壁の連続。コンクリートは骨材や薬品等を配合して作られますが、施工エリアは寒冷地で、雪や塩(凍結防止剤)の影響による長期耐久性の確保が課題でした。セメント会社と協業し、試験プラントに通い、何度もコンクリートを練り、覆工コンクリートとしての施工性と耐久性を兼ねそろえたコンクリートを考えました。そして、現場や協力会社、本社の技術部門が連携し合うことで、最適な配合が決定。私は技術部門側だったものの、入社早々にコンクリートを通じて、ものづくりを追求できた貴重な経験となり、私の土木技術者としての原点ともいえる強く印象に残るものとなりました。

多彩な業務を通じて感じる「人のあたたかさ」。
新しい取り組みへ挑戦する姿勢こそが強み。

改めて、前田の魅力を教えてください。

入社4年目の半ばにして、初めて施工管理者として現場に常駐することになりました。場所は岩手県・釜石。東日本大震災からの復興支援事業で、防潮堤をはじめとした津波対策の構造物建設現場でした。何もわからず失敗ばかりの日々で、ものづくりのすべてを1から勉強。わからないことは周囲に聞くことを徹底し、自身に足りない知識を貪欲に吸収しました。現場を経験することの重要性を痛感した2年でした。私はこれまで技術開発、現場、設計など、土木に関わる業務を横断的に経験し、当社の様々な部署の人と連携して仕事を進めてきました。その中で感じるのは前田の「人のあたたかさ」。相手を思いやる気持ち、相手の立場に立って対応する文化が当社にはあり、それは仕事を動かす力にもなっていると思います。また、私が担当しているICTも含め、新しい取り組みに挑戦する姿勢が前田建設にはあります。それが当社の魅力でもあり、強みでもあると感じています。

ある1日のスケジュールOneday Schedule

8:00

出社。

メールチェック。

8:30

始業。

現場への説明資料作成。

11:00

ICT推進メンバーと打ち合わせ。

12:00

会社の近くでランチ。

13:00

現場からのフィードバック確認。

14:00

ICT関連ツール業者との打ち合わせ。

15:00

ICT現場導入の検討。

電話で現場にヒアリング。

16:00

関西出張の準備。

17:00

1日の活動を整理し、上司へ報告。

18:00

退社。

今後のキャリアについてCareer

女性が活き活きと働ける職場へ

ICTなどのテクノロジーの導入は、女性としての「入社後のキャリアの壁」「仕事と家庭のバランス」など、女性特有の課題を解決できる可能性があると思います。建設現場で女性が働く環境をICTで整備することで、女性社員が今まで以上に活き活きと働くことができる環境・職場を、技術開発部門の立場から創出していきたいと考えています。

※所属およびインタビュー内容は、取材当時のものです。

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