INTERVIEW徹底して考えて
最適解を
見出していく

土木設計 / 2012年入社

林 佑治

大学院では、地震の際に発生する液状化現象の解析やその対策等の研究に従事。それら知見を活かせる場として土木業界を志望。前田建設への入社は、教授など周囲の人の話から、人に対して、そして仕事に対する真摯さを感じたことが決め手に。

土木建設現場の基礎である地盤に向き合う、
造成・土地整備に不可欠な計算・解析作業。

現在の仕事内容を教えてください。

私は現在、土木設計部に所属しており、地盤・基礎グループで主に地盤分野の設計に従事しています。特に、仮設山留計画や造成計画に関する設計・解析を中心に業務を行っています。造成や土地整備では、土を盛り(盛土)、山を削る(切土)という作業が行われますが、盛土で問題の一つとなるのが地盤沈下です。軟弱地盤や過剰揚水、液状化といった特別な状況でなくても、地盤沈下は発生します。現場の土を解析し、どれぐらいの荷重で、どれぐらいの時間で、どれだけ沈下するかを計算によって明らかにし、許容できる範囲であるかどうか判断していきます。判断を誤ると、経年とともに構造物に傾きを生じさせ、またそれによって、地下を走る上下水道管等の管路に影響を与えることにもなりかねません。構造物が長年にわたって、安定的にその役割を果たすために、地盤のプロフィールを明らかにし、工事の現場をサポートしていく役割を担っています。

ものづくり最前線に立っているという手応え。自分が計算したものが、現地に完成したときの感動。

仕事を通して得られるやりがいは何ですか。

地盤沈下は一つの例であり、たとえば切土においても、どこまで削ると崩壊の可能性があるか、解析・計算して明確にしていきます。また掘削作業の際に必要とされるのが、土砂の回り込みや掘削壁面の崩壊を防止するために設けられる仮設山留。円滑な工事進捗、あるいは安全確保のためにどのような仮設構造物が必要か、土質や地下水、障害物、埋設物の状況、施工性や経済性を考慮し計画を立て、最適な設計・解析を進めていきます。私の仕事は、計算・解析業務に費やされることが多いものの、時間が経ち、自分が関わったものが出来上がっていくと、確かなものづくりの実感があります。施工管理の担当者同様に、ものづくりの最前線に立っている、その手応えを感じます。かつて初めて自分が計算したものがそのまま現地に完成したとき、心から感動しました。その時の感覚を忘れることはおそらく一生ないと思っています。

東日本大震災で壊滅的被害を受けた町を支援。
復興プロジェクトを全力でマネジメントする。

これまでで印象に残った出来事を教えてください。

入社3年目の時でした。私は岩手県大槌町に赴任しました。大槌町は東日本大震災で壊滅的な被害を受けたところです。小さな町で予算が限られており、復興が遅れていました。私は他社4社とのジョイントベンチャー「大槌復興CMR作業所」の一員として参加。CMRとはコンストラクション・マネージャーのことで、大槌町を支援するため復興プロジェクトを運営管理する役割を担いました。初めて大槌町の現場に入った時は愕然としました。建物が跡形もなくなっている衝撃的な光景が広がっていたのです。私は他のメンバーと共に、漂流物の撤去、地盤改良から始まった復興プロジェクトのマネジメントを担当。関係者間の調整から施工、資機材発注、工程管理など、町の再生に向けて自分ができることに全力で取り組みました。多くの人の想いを結集したプロジェクトは、5年の時間をかけ、最近完成。現地を訪ねた際は、その町の姿を見て、胸に込み上げるものがありました。

新しいことに挑戦する機会を提供し、
人を成長させるフィールド。

改めて、前田の魅力を教えてください。

大槌町の復興支援プロジェクトは、極めて貴重な経験でした。限られた時間、資金の中で、どうカタチにしていくか。それは単にプロジェクトを適切にマネジメントするだけに留まらず、地元の人たちの想いを汲み取る作業でもあったと思います。ゼネコンのスタッフとしてだけでなく、人としても大きく成長できた時間でした。私は仕事の上で、「わからないこと」と「知らないこと」を区別することを大切にしています。「知らないことは」人に聞き、「わからないこと」は徹底して考えて答えを見出していくべき。その姿勢が、復興支援プロジェクトの運営管理にも反映されたと思っています。当社の魅力の一つは、私が経験したプロジェクトのマネジメントのように、新しいことに挑戦する機会を多く提供してくれること。今、「脱請負」を掲げ、コンセッションや再生可能エネルギー事業の取り組みも進めています。挑戦することで人が成長する、絶好のフィールドだと感じています。

ある1日のスケジュールOneday Schedule

7:50

出社。

朝食をとりつつメールチェック。

8:30

朝礼。

1日のスケジュール確認。

9:00

上司に1日の行動報告。

後輩の進捗確認。

9:30

造成工事地盤の設計解析業務。

11:00

メンバーの計算書成果物の確認作業。

12:00

会社近くでランチ。

13:00

外出。

栃木県のポンプ建設現場視察。作業所長と打ち合わせ、その後発注者に状況説明。

17:00

帰社。

翌日のスケジュール確認。

19:00

退社。

今後のキャリアについてCareer

これまでの経験を糧にし、
よりハイレベルな設計士に

設計に関する業務に従事していた期間が長いため、その経験を踏まえた上でさらにハイレベルな設計業務に携わりたいと思っています。一方で、総合建設業の一員として、施工をはじめ他の部門の業務にも挑戦したいという気持ちもあります。また、今後は若手社員の指導、育成にも力を注いでいきたいと考えています。

※所属およびインタビュー内容は、取材当時のものです。

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