INTERVIEW数式通りにいかない、
だから面白い

設備施工管理 / 2006年入社

三好 大

昔からものづくりが好きで、また、建設業に憧れていたことからゼネコンを志望。中でも幅広い業務ができる前田建設へ入社。入社後、本店設備設計グループ、北陸支店を経て現職。現在、オリンピック選手村跡地に建つ50階建てタワーマンションの設備工事の計画立案を進めている。

機械設備設計から施工管理、見積もり、
アフター対応まで、多様な業務を経験しながら、設備施工管理者として成長。

入社後からこれまでのキャリアを教えてください。

入社後2年間は本店の設備設計グループに所属し、機械設備設計の業務に従事。上司から、実際の案件に関わる空調の負荷の計算や給排水のパイプの太さ計算などの課題を与えられました。それらをこなし、建築の設計と連携しながら設備のスペース確保について検討する中で、設備の基礎となる計算を覚えることができました。その後は北陸支店を経て、現在の東京建築支店に至るまで一貫して、様々な現場で設備施工管理を担当。設備施工管理者としてのスタートとなった北陸支店では業務の中で押さえるべきポイントを叩き込まれ、また、地方では中小規模のプロジェクトが多いため、施工管理だけでなく、見積もりやアフター対応にも従事しました。入社5年目に東京建築支店に異動後、主に携わってきたのは、大規模プロジェクト。規模が大きくなった分、設備施工管理者として見る範囲も広がり、北陸支店時代とは違った醍醐味を感じています。振り返ると、これまで機械設備設計から施工管理、見積もり、アフター対応まで多様な業務に携わってきたことで、幅広い知見とノウハウを積み上げていくことができたと感じています。

それぞれの建物に合う最適なシステムを構築する。その難しさの中に面白さがある。

設備施工管理の仕事の面白さは何ですか?

設備施工管理の仕事とは、施主(お客様)、監理者と仕様決定や変更項目の確認を行い、決定事項を協力会社に展開。さらに打ち合わせ内容を反映して協力会社が作成した施工図、要領書を確認し、現場でその内容通りに施工が行われているかを確認。その後、諸官庁の検査を円滑に行えるよう協議を行うこと。この一連の仕事の中で面白さを感じるのは、単純に現場の管理だけを行えばいいというものではないことです。例えば、設計図では使用器具やその配置・レイアウトまでは決まっておらず、お客様と打ち合わせをしながら決めていく必要があります。照明一つとってもそうです。照明の光の色や光り方は図面だけではなかなかイメージできないもの。そのため施工に先行してモックアップで実際に点灯して見せるなど、お客様に様々な照明器具を提案し、お客様と価格交渉も行いながら採用する照明器具を決めていきます。また、建物用途によって構築する空調、給排水、電気、換気などのシステムが異なるのも面白いところ。それぞれで最適なシステムを考え、かつ効率的に構築していくのは難しく、なかなか数式通りにもいかないのですが、それを考えていくプロセスが楽しいですね。

品質・コストに対する要求の高いお客様に向き合い、
知恵を絞る中で鍛えられていく。

これまでのキャリアの中で印象に残っている出来事は?

酒々井アウトレット2期作業所で、テナント部分の設備を担当したことです。将来的に一般のお客様に利用され、世間の注目を浴びる現場を仕上げていくのは、純粋に楽しかったですね。協力会社の代理人さんとも非常に気が合い、現場に行くのが楽しくて仕方ありませんでした。その一方で、もちろん大変なことも。お客様の品質とコストに対する要求が非常に高く、仕様決定や変更項目の確認、価格交渉が一筋縄ではいかなかったのです。しかも、お客様が設備の知識もある方だったため、「なぜこの仕様なのか、なぜこの価格なのか」について、納得のいく資料と説明がなければなかなか認めてもらえません。しかし、その分幅広い知識とノウハウが要求され、お客様と向き合う中で非常に鍛えられました。

前例のないプロジェクトに挑み、苦労の連続。その先に
オリンピック選手村建設に携わる喜びがあった。

現在、所属する晴海再開発作業所ではどのような仕事をされているのですか?

2017年に赴任して以来、オリンピック選手村のマンション6棟の設備の施工管理を担ってきました。その中で難しかったのは、オリンピック後、分譲マンションに転用する計画であるため、“分譲マンションのシステムありき”で設備も構築するという前例のないプロジェクトだったこと。例えば、選手村としてはごくシンプルな設備で十分なのですが、分譲時には床暖房をつける予定であり、そのための配管をしておく必要があったり。このように先を見越して仕込まなければならないところが多く、施主や監理者、協力会社とコミュニケーションをとりながら調整するのに非常に苦労しました。また、6棟すべてで実施しなければならない消防署や役所の検査も、日程の調整をはじめ一苦労。国内外から注目されるオリンピック選手村であるためか検査も厳しく、最後の検査時には、天井の裏まで入って隙間がないか等をチェックされたのには驚きました。すでに引き渡しも済みましたが、国内外の選手たちにきっと不便なく快適に使っていただけるはず。オリンピック開催が待ち遠しいですね。

ある1日のスケジュールOneday Schedule

7:00

出社。

朝食。メールチェック。今日の流れを頭の中でイメージして整理する。

8:00

朝礼。

作業内容、作業人数の確認。安全確認事項、通達事項の伝達。

8:10

現場巡回。

設備工事の進捗を確認。

9:00

協力会社との打ち合わせ。

問題点の洗い出しと解決策の立案。

11:00

消防署との打ち合わせ。

設置する設備の確認。

12:00

昼休憩。

ランチ後、昼寝をする。

13:00

デスクワーク。

マンション6棟すべての図面、仕様書のチェック。

19:00

退社。

今後のキャリアについてCareer

どの現場でも頼りにされる
設備のエキスパートへ

設備施工管理の先輩で、何を聞いても答えてくれる方がいます。なんで、こんなことまで知っているんだろうというような(笑)。私もこれからもっと知識を深めて、その先輩のようにどの現場でも頼りにされ、引っ張りだこになる設備のエキスパートになりたいと考えています。

※所属およびインタビュー内容は、取材当時のものです。

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