INTERVIEW人の想いを具現化する、
設計という仕事に
あるやりがい

意匠設計 / 2016年入社

三村 卓矢

中学時代から建築の世界を目指し、高校、大学と建築科に進んだ。就職に際しては、設計業務、そしてものづくりに携わりたいという気持ちから、設計から施工まで一貫してものをつくるゼネコンを志望。前田建設は「脱請負」を掲げ、コンセッション、再生可能エネルギーなど新たな挑戦をしているところに惹かれて入社を決めた。

入社1年目の研修でマンション建築現場に配属。
建物は人の気持ちがつながってつくられる。

現在の仕事内容を教えてください。

現在私は、建築設計セクションに所属していますが、入社後、研修の一環としてマンションの建設現場に配属されました。コンクリート打設から仕上げ作業、竣工まで、建物が出来上がっていく一連の流れに関わり、非常に貴重な経験をすることができたと感じています。実感したのは、建物は「人がつくっている」ということ。施主、建設会社、工事に関連する協力会社、それぞれの人々の想いや気持ちがつながり、「建物をつくる」力が生まれているのだと感じました。自分も設計という立場からその一員になることに、身が引き締まる気持ちになったことを覚えています。現在、私が所属する企画・開発グループは、住宅やオフィスビル、商業施設といったカテゴリー別の建物を設計するのではなく、たとえば入札案件や再開発事業、工場など、企画・開発に比重が置かれた案件を担当しています。通常、3~4件を同時並行で進めており、私は宗教施設の監理業務、ホテルの基本設計業務、さらに若いメンバーで結成されたチームで、再開発事業案件の検討を進めています。

新たな要望に応えた宗教施設建設の監理業務。ニーズを具現化する内装デザインや素材の提案。

そんな中で、難しかった点を教えてください。

現在の部署に配属になって、最初に取り組んだのが宗教施設の監理業務です。設計者の仕事は図面を描くことだけではありません。工事がスタートすると、設計者は工事が設計通りに進んでいるかどうか、現場で確認します。これが「監理業務」です。私は上棟式の時期に前任者から引き継ぎ、監理業務に着手。しかし、この宗教施設建築は単なる「監理」ではありませんでした。建物は地上1階地上3階建て、最上階には礼拝堂を含んだホールがあります。宗教施設という特別な建物という背景もあり、施主様には細部にわたった要望があったのです。目指していたのは、会員が自由に使えて親しみやすい建物とすること。特に最も重要な礼拝堂(ホール)の内装デザイン、素材にはこだわりがありました。私は施主様からヒアリングを重ねる中で考えたのが、伝統的な日本文化を演出すること。そこで神様を祀る礼拝堂の正面部分に絹糸を和紙に貼った特別な素材である「絹布紙」の採用を提案。絹布紙の制作動画や、建物内を自分目線で歩くCG動画などを用意し、承認をいただくことができました。その他の主要な室にも、ナチュラルウッドの「木」感で、親しみやすさを演出するなど、施主様の要望に応えることができた手応えがありました。

施主様にとっては一つしかないオンリーワンの建物。
十分に理解・納得していただく提案の大切さ。

仕事をする上で大切にしていることは何ですか?

宗教施設は2020年1月、一部建物の解体を残して竣工しました。基本設計には関わっていないものの、自分が手掛け、施主様と一緒につくり上げた実感があり、竣工のときは素直に感動しました。当初は設計図を読み込むこと、設計から監理段階での変更点を整理して理解することに苦労しましたが、最終的に施主様に喜んでいただけたことに大きなやりがいを感じました。初めて設計の仕事の一つである監理業務を経験して思ったのは、施主様にとっては一つしかない建物、一生に一つの建物だということであり、その意識を持つことの大切さです。これから設計業務に携わっていく自分にとって、数ある中の物件の一つですが、施主様にとってはオンリーワン。だからこそこだわりもあり、要望もある。施主様のそうした想いを受け取り、妥協することなく責任を持って設計・監理業務に取り組み、十分に理解・納得していただく提案をしていくこと。それがよりいいものづくり、施主様に喜んでいただける建物をつくり上げることにつながっていくと思っています。

ホテルの基本設計、再開発エリアのボリューム検討。
若手でも責任ある仕事を任せてもらえる風土がある。

その他に担当している業務があれば教えてください。

宗教施設の「監理業務」と並行して進めているのが、ホテルの基本設計です。お客様はリゾート地でホテル事業を行う構想があり、その事業可能性を含めた設計業務です。客室数や共用部の大きさを検討し、提案。それに伴う建設費用の概算、コスト調整など、事業着手の判断材料を提供しているフェーズ。事業化が決まれば本格的な設計業務に入ることになります。もう一つ進めている取り組みが、都内で再開発が検討されているエリアのボリューム検討です。再開発の高度利用により、どの程度のボリュームの建物ができるか、必要条件の調査・整理を進めています。建物は景観条例等によりエリアによって高さ制限がありますが、一定の条件(地域住民の利便性向上等)を満たせば制限緩和が可能となります。このように当社は、私のような若手でも責任ある仕事を任せてもらえる風土があり、多岐に広がる設計業務の魅力、面白さを実感しています。また、当社は人と人との団結力やつながりが強く、そうした環境が働きやすさを生んでいるとも感じています。

ある1日のスケジュールOneday Schedule

8:20

出社。

メールチェック。

8:30

業務開始。

リゾートホテルのプラン検討。CADによる客室の間取り等の設計。

10:00

外出。

10:30

宗教施設建設の定例ミーティング。

竣工後に予定されていた建物の解体計画等。

12:00

帰社後、昼食。

13:00

再開発事業案件の検討。

竣工後に予定されていた建物の解体計画等。

13:00

役所担当者と打ち合わせ。

容積率計算、法令の確認等。

15:00

宗教施設完工に伴う、
行政関連の提出物の整理。

行政協議等で必要とされる資料の作成。

17:00

若手チームで
再開発事業に関するミーティング。

18:00

退社。

今後のキャリアについてCareer

基本設計から監理業務、
一連を任せてもらえる設計者に

設計業務を続け、後々はチーム長になりたいと思っています。ただ、スペシャリストとして周囲を引っ張るのではなく、メンバーをまとめ、その相乗効果で力を発揮するようなチームをつくりたい。また、一つの物件にゼロの状態から携わり、基本設計から監理業務まで一連の建築設計を担当できる設計者を目指したいと考えています。

※所属およびインタビュー内容は、取材当時のものです。

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