INTERVIEW土木の現場管理から
シールド工法の
技術開発へどちらも
知る強みがある。

土木技術 / 2018年入社

鶴巻 慎也

4年目のジョブローテーションで土木の現場からシールド工法の技術開発部門へ異動。当初は戸惑いもあったが、もともと興味を持っていたモノづくりに関わる点やコミュニケーションの大切さは変わりなかった。今もできる限り現場に足を運んで多くの声に耳を傾け、現場で喜ばれる技術開発を目指している。

入社から1年間の仮配属でさまざまな経験。
前田建設の人を育てる
熱意を感じた。

入社までの経緯と現在の仕事内容を教えてください。

大学で在籍したのは工学部社会環境工学科です。就活のインターンシップでモノづくりに興味を持ち、ゼネコンを志望するようになりました。前田建設に興味を持ったのは、自分が行ったことのある橋やショッピングモールを施工していたという単純な理由から。けれど、他社と比較しているうちに「脱請負」という斬新な目標を掲げていることを知り、これが入社の決め手になりました。入社してから「いいな」と思ったのは、人の育成に手厚い配慮をしていることです。私の一つ上の先輩から始まったという制度ですが、1年目は仮配属として2カ月ほど火力発電所の土木現場に行ったあと、本社に戻って1カ月ほど設計の研修を受け、お盆明けからは福井県で北陸新幹線のトンネル工事に従事しました。それも、ペアとなった同期と2人で行動するというスタイルで行われ、この1年間の研修で実際の配属に向けた下準備が十分にできる仕組みになっています。私の場合は北陸新幹線の現場にそのまま本配属となり、入社4年目のジョブローテーションで2021年12月に現在の土木技術部へ異動しました。

シールド工法って
いったい何だ?
全くの白紙で臨んだ
土木技術の世界。

仕事をする上でのモチベーションは何ですか?

土木技術部は名前の通り土木関連の技術開発を行う部署で、3つのグループから成り、私は施工技術グループのシールド工法チームに配属されました。初めは一体何をするチームなのかもわからず、現場の時代も含めてシールド工法については何も知りませんでした。シールド工法とは、シールドマシンという円筒形の機械を使ってトンネルを掘り進めていく工法で、主に都市部の地下で使われます。私たちが日々取り組んでいるシールド工法の技術開発は、大きく2つに分けられます。道路陥没などの事故を未然に防ぐ安全面と、生産性を向上させるための施工自動化です。技術に関する知識は本やWebからも得られますが、本当に喜ばれる機械は実際に現場に行って、これは確かに不便だなあという部分を肌で感じて開発しないとできないような気がします。そして、こんなのができたらいいねと言っていた架空の機械が試作され、実験をして結果が見えてくると、まず、これを使えるものにしたいという意欲が湧き、現場に実装された姿を見ると、この仕事をしていて良かったという思いに包まれます。

技術開発は多くの人たちとの共同作業。
それは
土木の現場と全く同じ。

あながは仕事で大切にすることは何ですか?

土木技術の開発は、現場で何に困っているかを知ることから始まります。その情報は現場から持ち込まれることもあれば、現場を見て気づくこともあります。そういった情報をもとに解決方法のアイデアを出し、いろいろな技術を持つ協力会社さんと一緒に一つのモノをつくっていくわけです。開発案件ごとに多種多様な企業の方と打ち合わせをしますし、もちろん社内でも、現場でも、他の部署の人たちから知恵を借り、いろいろな人の話を聞いて試行錯誤しながら開発を進めます。考えてみれば、これは土木の現場にいたときと同じです。あのころ、協力会社さんや作業員の方と何かを調整したり、お願いしたりということは大切な業務の一つで、お互いに気持ちよく仕事ができるように、いかにいい関係を築けるかを考えながらコミュニケーション能力を磨きました。現場と違って、今は直接会うよりリモートが中心になっていますが、当時の努力は今に活きていると思います。

原点となった
北陸新幹線での体験。
若い私を多くの人が
フォローしてくれた。

これまでの業務で印象に残った出来事は?

現在の部署に異動して日が浅いこともあり、最も印象に残っているのは研修時と配属後を合わせて2年半過ごした北陸新幹線のトンネル工事です。トンネルをつくったあとはレールを敷く作業が控えているので、工期は厳密に定められています。とくに私の受け持ちは、掘り終わったトンネルの内側にコンクリートの壁をつくる覆工コンクリート作業で、工程の最終段階に近く、プレッシャーもひときわでした。まだ若いこともあって、作業を計画通り進める方策を考えるより、とにかく作業を止めないようにとがむしゃらになっていたのを覚えています。自分の発注ミスでコンクリートが打てないとか、材料の段取りができていないとか、作業の中断につながる要素を極力なくすことに集中していましたが、それでも危ういシーンは次々と発生して緊張の連続でした。ただ、その現場では私が最も年下だったせいか、発注の確認などいろいろな形でサポートを受け、現場の一体感で見守ってもらいました。自分の意気込みだけで乗り切れないときは、誰かが支えてくれる。そんなことを感じ、完成したときの喜びは格別なものでした。

ある1日のスケジュールOneday Schedule

8:10

出社

8:30

朝礼

9:00

現場とのWeb打ち合わせ

10:00

実験計画・準備

12:00

昼休み

13:00

部内の打ち合わせ・報告会

14:00

協力会社とのWeb打ち合わせ

15:00

現場説明用資料づくり

18:00

退社

今後のキャリアについてCareer

知識や技術の習得を
進めて
自分のアイデアを積極的に
発信したい。

まずは腰を据えて、現在の部署でシールド工法についての専門的な知識や技術を身につけたいです。また打ち合わせなどで、経験不足から自分の意見を出し切れていないところがあるのですが、技術開発はいろいろな意見があって初めて成り立つので、言いたいことを積極的に発信してアイデアを形にしていきたいです。

※所属およびインタビュー内容は、取材当時のものです。

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